2020年10月9日金曜日

行定勲「クローズド・ノート」(2007)

雫井脩介の原作小説を行定勲監督が映画化した「クローズド・ノート」(2007 東宝)を10年ぶりぐらいで見た。これも東宝の市川南が製作総指揮。脚本は吉田智子

当時人気絶頂だった新進若手女優沢尻エリカが一気に転落するきっかけとなった映画。舞台挨拶で「別に」発言をして大バッシングが始まった映画。

今回自分はDVDが出た直後に見て以来久しぶりに見返した。この当時からすでに沢尻がちょっと嫌いだったのだが、今年は大河ドラマの主要キャストに選ばれるなど久しぶりに世間の注目を浴びた。どれどれ見てやろうかと思ってた。だが、覚せい剤取締法違反でまたも転落。

この映画は女子大生が引っ越した部屋に前の借主が置き忘れて行った(?)日記帳を盗み読む話。新任の小学校教師真野先生(竹内結子)の子どもたちや恋人との日々がつづられる。

内容をまるで覚えていなかった。主要キャストの伊勢谷友介と、沢尻の所属するギタマン部の指揮者篠井英介ぐらいしか覚えていなかった。いきなりサエコが出てきて驚いたし、ヒロインのバイト先の万年筆店に永作博美店員がいて驚いた。ヒロインを狙うサラリーマン客に田中哲司がいて驚いた。ぜんぜん覚えてなかったw
竹内結子と「不機嫌なジーン」で共演した黄川田将也が劇中ドラマの登場人物として登場。この人は最近あんまり見かけなくなってるな。デートシーンで京都南禅寺の琵琶湖疎水赤レンガ水道橋が出て来た。この映画を見た後で南禅寺に行ったことあったけど、まったく映画を思い出しもしなかった。

沢尻と田中がいっしょにお茶してる場所が池袋の自由学園明日館。ここも後に行ったのに映画の事を何も意識してなかった。
あと、竹内先生が児童たちと遠足に行く公園が相模原公園の花時計の石段前。あちこちでロケ撮影してる。

この映画、今見返しても沢尻エリカがとても美少女だし、清楚なアザトカワイイ魅力が爆発してた。リアル生活でもこんな感じで男を簡単に篭絡するに違いない。

部屋でマンドリン弾いて伊勢谷に聴かせるシーンとか美しいし、「モデルになった見返りにマンドリンコンサートに花束とか持ってこなくてもいいです♥」とか、間違った音を出しまくるシーンとか、田中がでかい目立つ花束持って来るところとか面白い。
ウキウキしながらミートボール弁当を伊勢谷の部屋に持って行ったら板谷由夏が現れてテンションだだ下がりとかラブコメとして面白い。
自転車二人乗りで部屋に帰って来てくるくる回ってスカートひらひらとか、まるでアイドル映画。

沢尻はこの映画で築いたものをなぜにぶち壊したのか?なにが不満でその後あんなことになってしまったのか。クスリは社会への影響から厳罰だが、誰かの生命身体を傷つけたわけでないし本人の責任。今となっては別に沢尻を憎む気はさらさらない。このまま消えるのはもったいない。適当な時期にまた戻ってくればいいさ。

でもやっぱり竹内結子。清楚な魅力を放ちこどもたちから愛される理想的に過ぎるスクーターせんせい。
この人は十代から人気女優。結婚離婚再婚の後に二人目の子どもまでいるおっかさんなのにまだまだ人気女優。
(この映画を見返してこの記事書いてあとはUPするタイミングを見計らっていたら、伊勢谷が大麻所持で逮捕、そして、竹内結子さんが亡くなった。この世界は地獄だと思った。)

日記の中の出来事と、沢尻の現実が時空を超えてシンクロ。タカシなる仮想の人物がヒロインの現実と時空を超えて像を結ぶ瞬間が、この映画を映像化しようと考えた映画人の腕の見せ所。
気づいた瞬間、イメージがささーっと修正される。ヒロインは涙目で走り出すしかない。やはり他人の日記は読むもんじゃない。

それにしても竹内先生の採点してるテスト答案に絵を描く男は非常識。ヒロインはすごく細部までいきいきと活字をイメージしすぎ。
見返してみていろいろ再発見があった映画だった。嫌いじゃなかった。

ヒロインが真相に気づいて以後の展開をまるで何も覚えていなかった。あの場で日記を朗読されても他の人はどんな顔して聴いてればいい?終盤はあんまり好きじゃない。

あと、東京みたいな人が多すぎてデカすぎてクソな都市より、京都みたいな規模で学生が多い街で学生生活を送ったら楽しかっただろうなと思った。

主題歌YUI「LOVE & TRUTH」。この映画で児童たちが「翼をください」を合唱する。YUIも夏フェスやテレビ番組で同曲を唄っていたことを思い出した。

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