2020年8月22日土曜日

ダ・ヴィンチ・コード(2006)

ダン・ブラウンによる「ダ・ヴィンチ・コード The Da Vinci Code」は日本での発売当時から売れまくった。中古の文庫3冊セットとか、なんども手に取りかけたのだが、日本人にはよくわからない煙に巻かれるような本だろうなと棚に戻した。

2006年のロン・ハワード監督による映画も何度も見かけたのだが、目的のために銃で簡単に人を殺すようなやつを見たくなくて途中挫折。で、やっと見た。吹き替え版。

トム・ハンクスが主人公ラングドン教授。この人が何でも知っている。
講演会の後、本のサイン会をしてるとフランス警察の刑事がやってくる。ルーブル美術館での猟奇殺人事件に意見を求められるのだが、実はダイイングメッセージに教授の名前が書かれていて容疑者。
ジャン・レノが「逃亡者」にも出てくるような執拗で狂った思い込み刑事。こいつに捕まったが最後、長期間拘束され犯行を吐くまで取り調べられる。

謎の女オドレイ・トトゥの言うがままになすがままに巨大な陰謀に巻き込まれる。警察を振り切って逃走。お尋ね者になって泥沼。教授としたらいい迷惑。

高校世界史でなんとなく知ったことがどんどん出てくる。コンスタンティヌス帝、ニケ―ア公会議、十字軍、テンプル騎士団、シオン修道会、魔女狩り、最後の晩餐、マグダラのマリア、キリストにまつわる不都合な真実を追うものと、隠蔽し抹殺しようとするものの戦い。
陰謀論的な雰囲気がとてもいい。この映画が公開されていたころ「やりすぎ都市伝説」でもよく見たような、フリーメーソンの陰謀みたいな話が好きな人には大ウケ。

でもやっぱり世界史とキリスト教の歴史にある程度詳しくないと早々に自分を見失う。主人公とヒロインは苦労も無くテンポよく正解を選んでいく。
欧米人なら子どもの頃からキリスト教や聖者たちの物語を言い聞かされて育ってる。だが、日本人だと、こいつら何を言ってるんだ?ってなる。原作本を古本屋でよく見かけたのも納得。

狂った組織の狂ったメンバー(なにが神の御加護を…だ)が聖杯の謎を追うサスペンススリラー。誰が誰だか正体がわからない。仲間はどこにでもいる。

この映画を見るとキリスト教って怖い!よくわからない宗派の信者って怖い!って思ってしまうんじゃないのか。少なくともオプス・デイが完全に狂ったカルト集団のように描かれている。(終了後のスタッフロールでは実在の人物や団体とは無関係とエクスキューズ)

この映画を見ていると銃がある社会はほんとに危ないなと思った。急に裏切り者が現れて銃を突きつける。人を殺す。警察も全員が銃を構えて追ってくる。撃ってくる。てか、主人公2人はなんでまず銃を手に入れない?

おい、ジャンレノ刑事。あの場面はまず主人公ふたりに謝るのが先だろ。
ラングドン教授はあの美人に最後まで下心を見せなくて感心。

てっきり歴史ミステリーだと思って見てしまったw 本が出た当時はセンセーショナルな新説が出たんだと思ってた。だが、そういうことがホントにあったらいいな…という空想ファンタジーだった。

「インディー・ジョーンズ 最後の聖戦」がキリストの聖杯。「ダヴィンチコード」がマグダラのマリアの墓。
こういうの、真に受ける人はいないだろうと思うけど、信じてしまうのが宗教。ルーブルで祈りを捧げる人いそう。

日本でこんな映画を作るとしたら聖徳太子と蘇我の血筋とか、応神とかスサノオとか義経かな。豊臣でやってしまったのが「プリンセス・トヨトミ」w

0 件のコメント:

コメントを投稿