2020年6月1日月曜日

堀北真希「ウィニング・パス」(2004)

松山ケンイチの初主演映画「ウィニング・パス」(2004)をやっと見る。
これ、主人公のバスケ少年の妹役で堀北真希が出演している。以前堀北めあてで一度見ようとしたのだが途中で挫折した。16年の歳月を経てようやく見る。

車椅子バスケを描いた青春映画。北九州市市政40年を記念した九州ローカル映画らしい。協賛は北九州の病院。そういう映画。

主人公の高校バスケ部の練習試合風景から始まる。このチームが異常にギスギスしてて雰囲気が悪い。その理由はキャプテンと松山のせいらしい。
応援席に佐藤めぐみがいる。この女優はこの当時よくテレビでも見かけた。調べてみたら佐藤めぐみは現在35歳。金八先生第6シリーズに出ていたらしいから、かれこれ19年目の中堅女優。松井と佐藤はカップル。「一緒に東京行かん?」と夢を語り合う。

夫婦ふたりだけでやってる小さな町工場を経営する両親ともまったくギスギスしてる。バスケを辞めた松山はバイトしてお金貯めたら東京でも出ようかと話す。親の小さな工場など眼中になく、父矢崎滋は短気で怒鳴り。母角替和枝もヒステリック。とにかく見ていて嫌な気分。

親とケンカした雨の夜、バイクで事故。そして下半身麻痺の障害を背負う。病院の先生が加藤剛。角替和枝もすでに亡くなった。ちょっと古い映画を見ると鬼籍に入った人を見ることになる。(この映画はうどん店主役で柄本明も出演してる)

彼女が見舞いに来ているのにその場で自覚のないまま床に排尿してしまう。このシーンがかなりショッキング。絶望する少年。
中学生の妹も第一希望の私立へ行けなくなる。「なんでお兄ちゃんのせいで私が犠牲になるの?!」みんなヒステリック。家族が重度の障害を負うという現実。自分で排泄もできない。階段も降りられない。これは重たいドラマだ。
母が松山の口に無理やり食事を押し込むシーンで前回は途中で見るのを挫折。
友人たちも両親もわりとちゃんとした人であることがだんだん判明。妹もちゃんとした人でよかった。こういうとき人間性がよく出る。
しかし、佐藤めぐみの母親はふたりの仲を引き裂こうとする酷い人間性。

3か月で退院した主人公。あとは心の問題。入院中に知り合った人から車椅子バスケに誘われる。
「オマエに俺の気持ちがわかるか」妹「じゃあ障碍者の兄を持った妹の気持ちがわかるん?!」
兄は妹の学校へ乗り込む。車椅子で。このへんは何が正解なのかわからないので何も言えない。何か言うつもりもない。

車椅子バスケの先輩たちが障害があっても結婚し子どもがいることについて松山に話してる場面は新鮮な目線だった。そこまで踏み込んで描くのかと。
これは中高生が学校で見るような教育目的映画だったかもしれない。
堀北真希の出演シーンは佐藤めぐみにくらべて少なかった。だが、ラストで「お兄ちゃん、かっこよかったぞー!」という台詞は録音して何度も聴きたい人が多かったはずだ。でももう堀北も子どもがいるし。

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