2020年4月1日水曜日

アーサー・C・クラーク「天の向こう側」(1958)

アーサー・C・クラーク「天の向こう側」(1958)を読む。山高昭訳1984年ハヤカワSF文庫の2007年新装版で読む。ヒューゴー章受章の表題作を含む14本の短編集。
THE OTHER SIDE OF THE SKY by Arthur C. Clarke 1958
「幼年期の終わり」がそれほど面白く感じなかったので気を取り直して短篇集を読む。

90億の神の御名 チベット僧からコンピューター会社への依頼は「神のあらゆる可能な御名をつらねたリスト」をタイプで打ち出すことだった。これは空前絶後の発想。短い短編だが面白かった。誰か映像化してほしい。

密航者 テキサスの船長がロンドンから火星への航路へ出発。英国人は王室が好きだな…という短編。

天の向こう側 50年代における宇宙ステーション滞在への空想ショートショート。それはどのようなものになるのか?どのような事故が起こりうるのか?
クラーク先生は宇宙デブリの問題を軽視していたようだ。あと、「2001年宇宙の旅」でも、母船とのドッキングで宇宙服なしで一瞬宇宙空間に放り出される様子を描いてるけど、これが最初か?
それに今の宇宙ステーションはタイヤみたいに回転させて重力を作りだすユニットが存在しないな。

暗黒の壁 どこかの惑星の人々(?)は黒い壁の向こうに何があるのか知らなかった。で、行って見たら…という話。

機密漏洩 スパイ容疑をかけられた男の話。SF作家ならではの妄想。

その次に朝はなかった 500光年離れた知的生命体からテレパシーで「太陽が3日後に爆発するけど」と教えられたただ一人の男の話。そして地球の終焉。

月に賭ける 人類がまだ月面を知らない時代の月面予想SFショートショート。

宣伝キャンペーン 最悪なタイミングでの異文明ファーストコンタクト。

この世のすべての時間 時間を止める怪盗。

宇宙のカサノヴァ 恒星間旅行をするようになっても男は好色。

 ベツレヘムの星が輝いたとき炎に焼かれ消滅した文明の悲劇。イエズス会士の神への問いかけと嘆き。
今現在、ベテルギウスが超新星間近ではないのか?と言われてる。ということは、周辺にある惑星が熱火の中に投げ入れられ消滅するのかもしれない…。

太陽の中から 噴き出す熱の雲の中に数分間観測される輪郭を持ったエネルギーに命を感じた男の空想。

諸行無常 惑星の最期とその住民の風景。

遥かなる地球の歌 20年後に長編に改作された短編。惑星サラッサで独自進化した人類の末裔との出会いと別れ。

どの短編もクラークらしい味わい。とくに「90億の神の御名」と「星」はSFに関心ない人にも読んでもらいたい後味を引く短編。

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