THE PROBLEM OF THE GREEN CAPSULE by John Dickon Carr 1939ローマのポンペイ遺跡を観光旅行中のとある一家を観察しているスコットランドヤードのエリオット警部、英国の田舎村で起こったストリキニーネ入りチョコレートボンボンによって子どもが死んだ事件を追う。
菓子を販売するミセス・テリーの店に、子どもを使ってチョコレートボンボンを返品させた女マージョリーが疑われる。騒ぎが収まるまで一家は海外旅行。マージョリーはジョージという若い化学者と出会い婚約。
マージョリーの伯父で果樹園経営の名士マーカスが旅行から戻り自宅で家族と使用人たちに、人間の記憶力は信用できないという寸劇を見せていると今度は、劇中でコートにマフラー、シルクハットにサングラスの男に緑色の青酸化合物入りカプセルを飲まされ死亡。
果樹園を任されてたマーカスの部下が寸劇の相手だったのだが、庭の芝生の上で殴られて昏倒。看病中に青酸化合物を注射されて死亡。
真ん中に差し掛かってエリオット警部はフェル博士に会いに行く。このふたりは友人関係らしい。
ジョージは寸劇の一部始終の映像をフィルムに収めていた。このフィルムをフェル博士と警察幹部たちで見てみて、アリバイのトリックについてはわかった。だが、犯人はどうしてこのフィルムを処分しなかった?
フィルムのトリックはともかく、毒入りチョコレートを店員の目を盗んで箱の中に入れるトリックに使われる「バネ式底の鞄」というやつがよくイメージできなくて困った。結局やっぱりよくわからないのがカー作品。
終盤で銃撃事件が起こるのだが、これがあんまり意味がわからない。こんなことで犯人の疑いを逃れられる?
ちなみに、日本語の「できちゃった婚」に相当する英語が「ショットガン・ウェディング」。娘を身重にされた父親が相手の男に銃を向けて結婚を迫るという現象は英米ではよく見られるらしい。
「緑のカプセルの謎」はわりと話題に昇る作品だが、自分としては面白さはそこそこに感じた。
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