東野圭吾「ある閉ざされた雪の山荘で」(1992)を1996年講談社文庫で読む。こんな作品を今までまったく知らなかった。どこでも話題を聞いたことがないので期待せずに読む。
ワンマン巨匠劇作家演出家のオーディションに合格した男女が、推理劇の準備のために乗鞍高原の山荘に集まるよう指示される。
これが雪山クローズドサークル連続殺人事件を期待させる。だがこの本は雪も降ってないし電話も通じてる。
3泊4日、何かが起こるけど役者として役になりきって行動してね。それが新作になるから。
ただし、外部と連絡とったり外出したら失格ね。これから役者として成功したい若者たちは指示に従うしかない。
第1夜が明けると、電子ピアノを弾いてた女が行方不明。ヘッドフォンで首を絞められどこかに死体を棄てられた?登場人物たちにとっては姿が見えなくなっただけで殺されたかどうかはわからない。だが、読者にはなんとなく殺害シーンが示される。
殺害現場(?)には設定指示書のメモが置かれている。殺害現場はここ。凶器はコレ。
第2夜が明けると一番の美人女優が失踪。裏手に血の付いた花瓶が落ちてたんですけど!?古井戸の蓋に着ていたセーターの糸くずが引っ掛かってるんですけど!?だが井戸は深くて底がどうなってるかわからない。まさか、2人の死体がそこに捨てられてる?
どうやらオーディションを落ちた女優が自殺未遂で半身不随になっている?その恨みを買っている?
若い男女なので部屋を訪問して告ったりとか、双方でアリバイを証明できるように努力したりする。あと1日乗り切ればなんとかなる。
4日目、チェックアウト直前に急に眠たくなって寝てしまい、起きるとまた1人いなくなる。そこから急展開、メンバーのひとり久我が犯人を指摘する。そして真相が明かされる…。
これ、「仮面山荘」ほどには驚けなかった。真犯人の動機独白にまったく共感できないし納得もいかなかった。とてもいい大人たちとは思えないぐらいみんな頭悪い。これが中学生高校生なら、まあそういうこともあるかと納得できたかもしれない。
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