2019年5月1日水曜日

エラリー・クイーンの事件簿1(1941)

エラリー・クイーンの事件簿1(1941)という本があるので読む。こいつは今までまったく眼中になかった一冊。映画用オリジナル脚本を小説化した中編2本を収録。1972年創元推理文庫版(青田勝訳)で読む。
THE VANISHING CORPSE & THE PENTHOUSE MYSTERY by Ellery Queen 1941
「消えた死体」「ペントハウスの謎」という2本を収録。

「消えた死体」178P
これがニッキー・ポーターとエラリーくんのファーストコンタクト。クイーン警視に相談中の家出娘捜索願いにエラリーくんがおせっかい介入。
バーバラ嬢をかくまっていたニッキー。ニッキーがバーバラに成りすます。最悪な人違い。

推理作家志望のニッキーはエラリーくんの著作「中途の家」を「くだらないストーリーをいかにもきれいらしく飾り立てた作品」と酷評し、「ペルシャじゅうたんの謎」という新作に挑んでるw
エラリーくんはヴェリー刑事部長から「エラリー・クイーンの新冒険」にサインを頼まれてるw

「健康の家」という健康食品と痩身エクササイズ&筋トレ企業の創業社長がガン宣告で遺言を書き換えた直後に首を切られて書斎で死んでる!
その現場にニッキーが閉じ込められる。なんとか現場から逃走するも最有力容疑者扱い。クイーン警視が行方を追う。
エラリーくんは大胆にもクイーン家でニッキーをかくまう。このへんがドタバタラブコメ。
検死しようと覆いを取り外すと石膏像。死体を紛失?犯人が死体を必死で隠そうとする理由は?

凶器と目されていた紛失中のペーパーナイフの行方は?ここ、ええ…ってオチ。
最後は派手なカーチェイス。1時間ドラマにするならよい脚本じゃなかったか。「消えた死体」のほうはまずまず面白い。

つづいて「ペントハウスの謎」を読む。184Pもある。ほぼ長編といっていい。

中国帰りの元腹話術氏の富豪が一流ホテル最上階特等室でトランクの中から死体となって発見される事件。
この時代は日中戦争の最中。もちろんアメリカは英国と一緒に蒋介石を支援中。反日感情高まり中。中国からアメリカへの客船の名前がマンチュリア号。
悪い奴ら総登場。窃盗詐欺賭博師グループによる宝石盗難事件。入り組んだ事件をエラリー&ニッキー、クイーン警視&ヴェリー部長が追う。

これ、なんら有名になってない理由がわかった。読んでいて特に面白くもなんともない。ニューヨークを舞台に尾行とかでだんだん全体像が見えてくる1時間刑事ドラマ作品向けな本。
でもまあ、おなじみの面々のやりとりはユーモアがあってそこは面白いかもしれない。

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