2019年4月29日月曜日

ラリイ・ニーヴン「無常の月」(1971)

ラリイ・ニーヴン「無常の月 ザ・ベスト・オブ・ラリイ・ニーヴン」(小隅黎・伊藤典夫 訳 ハヤカワSF文庫)という本が昨年3月に出版され、SFファンの間でちょっと話題になったようだ。出版から1年、ようやく読んでみた。
INCONSTANT MOON AND OTHER STORIES by Larry Niven 
1966~1975年に書かれた短編7本を集めた日本独自企画。なんともう日本ではラリイ・ニーヴンの本はこれ以外ほぼ絶版。いつのまにかそんな事態になっていて驚いた。
  1. 「帝国の遺物」A Relic of the Empire (1966)
  2. 「中性子星」Neutron Star (1966)
  3. 「太陽系辺境空域」The Borderland of Sol (1975)
  4. 「無常の月」Inconstant Moon (1971)
  5. 「ホール・マン」The Hole Man (1974)
  6. 「終末も遠くない」Not Long Before the End (1969)
  7. 「馬を生け捕れ!」Get a Horse! (1969)
1から3までは同じ世界観にあるノウンスペースシリーズ。おそらくハードSFと宇宙物理というものに慣れていないとまったくちんぷんかんぷん。

自分は「中性子星」を読みたくてこの本を手に取った。中性子星に接近するとどうなるか?死亡事故の調査。ガチハードでそれほどよくイメージできない。

「無常の月」は名作だと思う。巻末解説によれば映画化の企画があるらしい。
ある夜とつぜん月が異常に明るく輝きだしたのを目撃した男。前触れもなくいきなり世界の終わり「新星(ノヴァ)」が来たことを悟る。昼間を迎えている地球の反対側は太陽光で何もかも燃えて溶けてしまってるはず。そろそろ衝撃波が来るはず。こんな夜は恋人と一緒に過ごそう。という話。文体も魅力がある。

あとは変化球タイムマシンもの「馬を生け捕れ!」のユーモアが好き。

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