2019年3月7日木曜日

アナザーストーリーズ「犬神家の一族」

2月26日、BSプレミアム「アナザーストーリーズ」という番組で「犬神家の一族」が取り上げられるというので見た。

番組ナビゲーターは松嶋菜々子。「当時のこどもたちがこぞって真似をするほど」というくだりをしたり顔で言う松島が可笑しい。

この番組が自分の知らないことだらけで新鮮だった。貴重映像だらけだった。以下、要点をまとめると
  • 1976年の公開初週観客動員が当時の世界新記録だった。
  • 角川書店やり手二代目若社長だった角川春樹氏が爺さん(77歳)になっていて驚いた。
  • すでに忘れられた作家だった横溝正史作品をカラフルなイラストカバーで文庫本化したのも角川のアイデア。
  • 今では当たり前の書店の平積みもこのときから。オビをつけたのも角川が初。
  • 横溝正史の次女・瑠美さんによれば、自宅を訪問した角川春樹は横溝を故人だと思っていて、本人が現れたときは驚いたらしいw
  • 角川春樹は横溝の本を乱歩の100倍売ったと自負。
  • 最初「八つ墓村」を映画化するつもりだったが、映画会社と製作費で折り合わず頓挫
  • 「犬神家の一族」が選ばれた理由はそのタイトルのドロドロしたイメージw
  • 当時の映画音楽の予算は50万円が普通だったが「犬神家」は500万円かけた。
  • 音楽担当の大野雄二氏にインタビュー。自分は初めてこの人の動いて喋る映像を見た。
  • あの印象的な旋律はダルシマーという民族楽器で演奏されている。
  • 映画公開前にサウンドトラックを完成させたのも初。これでメディアミックスができた。
  • 映画が大ヒット。教科書と辞書の地味な中堅出版社だった角川書店は全国区で名前が知られるようになった。
  • 東宝スタジオの犬神家セットの襖が金色に見えないという市川の一言で初日の撮影がストップw
  • 市川崑がくわえたばこスパスパでテレビのインタビューに答えている映像に時代を感じた。
  • 市川崑「東京オリンピック」に文句を言ったのが河野一郎。これを機に市川はテレビの世界へ。
  • スケキヨマスクをつくった特殊美術担当は安丸信行氏。薄いゴムマスクを市川監督何度も作り直させた。
  • あの逆さ二本足の死体メインビジュアルは作り物でなく、ロケ現場近くで林業を営む遠藤さんという人をスカウトしてやってもらってた。それ、大びっくり情報!w 「あの年は寒かったのでブルブルだった」なんと今もまだお元気。
  • 犬神家の外観に使われた築200年の旧家の家主が石坂浩二さんとの想い出を語る!
  • 石坂さんは金田一耕助の役作りに悩んでいた。市川監督から天使のようにと指示されていた。「天使って何?!」
  • 当時の金田一と言えば片岡千恵蔵のイメージが強かった。当初は出演を断ろうとした。
  • そもそも金田一のイメージは横溝そのものw 次女「お風呂入るのも大嫌いw」
  • 金田一さんのトランクは神戸の骨董屋で買った石坂浩二の私物。そのトランクは今も東宝撮影所に保管されている。
  • 横溝はブームを機に執筆を再開。「若い女性からファンレターが来ますw」
横溝ファン、金田一ファン、市川崑ファン、石坂ファンにはすでに知られたことかもしれないが、自分には新鮮な情報ばかりだった。

横溝正史は全77作品あるそうだ。全作読破をめざしてまた読書を再開したい。

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