2018年10月8日月曜日

未来少年コナン(1978)全26話を見た

この夏、WOWOWさんが「未来少年コナン」全26話を放送してくれた。途中で1話録画に失敗し欠落してたのだが一挙放送で挽回。すべて録画保存できた。

このテレビアニメを全話見るのは完全にこどもの時以来。毎日少しずつ見て完走。
おそらく初めて見た当時はレンタルVHSビデオテープ。今回見て、鮮明な映像に感動。

このアニメは自分からすると「カリオストロの城」と並ぶ宮崎駿の大傑作。全部通して作品としてクオリティが高い。脚本も素晴らしい。今も価値を失わない不朽の名作。

コナンの「んなアホな」という超人的な跳躍力と体力、そして決して弾が当たらない強運。死んでないことが不思議。
子どものとき、コナンが水中に潜っているシーンでは同じ時間息を止めていられるかどうか張り合ったりしてみた。無理だった。

宮崎駿の天才的な演出が感動的に素晴らしい。普通ならサラッとやってしまう動作ひとつにも面白く見せるアイデアであふれていて感心。必ず何かくすぐりを入れてくる。

コナンで上手くいった演出や表現はすべて後の宮崎アニメに活かされている。「カリオストロの城」「死の翼アルバトロス」「ラピュタ」なんかでも同じように使われているシーンだらけ。

つま先で足がかりのない鉄板にしがみつくとか、バラクーダ号から離脱するボートのロープを掴んだジムシーとダイスと空中に浮きあがるシーンとか、太陽塔から飛び降りるシーンとか、飛行艇ファルコンの銃撃戦とか、飛行するギガントの翼を走るシーンとか、アニメでないとできない表現。今見ても驚き。天才の所業。地下の洞窟は真っ暗のはずでは?とかそんな疑問はどうでもよくなるw

宮崎駿は悪役の描き方も上手。コイツは最後に死んでも構わないと視聴者に納得させる酷い人格を執拗に描く。
ギガントが空中でコナンたちにめちゃめちゃに破壊されていく場面で「うろたえるな!」と怒りながら現場のすべてに指示していくレプカのシーンは面白かった。訓練不足の兵員ではああなる。
「コナン」は中国では放送できないんじゃないか?と思った。香港の住民はなぜインダストリア住民のようにレジスタンス活動をしない?

物語クライマックスでは地下住民たちが反乱を起こすのだが、こいつがまさしく革命でできた政権の描くプロパガンダ絵画のような青年たち。

手製爆弾一発でバラクーダを航行不能にし、鋼鉄製ガンボートも樽爆弾で沈める爺さんがすごい。どうして日本も黒船来航のときとGHQにこれで対抗しなかった?

オーロという村のアウトサイダーの計略によって村がインダストリア勢力の手に落ちるシーンは同じことが今後日本でも起きないだろうか思って見ていた。こんな裏切り者は戦後に村の広場で縛り首だろ。よく考えたら日和見ダイス船長の調子の良さと人間性も酷い。

1978年当時に比べると現在の世界は全面核戦争の危機意識はかなり薄まった気がする。温室効果ガスによる気候変動のほうが危機感強い。

このアニメ、オープニングのナレーションが伊武雅刀さんだと気づいて驚いた。そういえばこの人は「ヤマト」でデスラーの声優をやってた人だ。ところで超磁力兵器って結局何だ?よくイメージできなかった。

コナンの「ラナに触るなあーー!」を聴いて、自分も世の中に「俺のまさみに触るなー!」と叫びたいと思った。

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