2018年8月18日土曜日

綾辻行人「迷路館の殺人」(1988)

綾辻行人「迷路館の殺人」(1988)の1992年講談社文庫(1998年第20刷)を手に入れた。100円。
こいつが自分にとって3冊目の綾辻行人。これまでに「時計館」「水車館」と読んできてそのどれもが面白かったので期待して読む。

引退した偏屈老推理作家が建てた迷路館。そこで誕生パーティーをするというので弟子の作家4人と編集者夫妻と評論家、そして島田が呼び寄せられる。
約束の時間にみんな集まると、執事から「主人は自殺しました」「莫大な遺産をかけて、今から迷路館を舞台にした推理小説を書いてもらいます」「被害者は自分という設定でワープロで書いてください」という遺言テープが公開される…。

これがまたしても「そんなバカな!」というリアリティ無視のクローズドサークル連続殺人。やっぱこれだなという雰囲気重視の本格推理もの!
邸内がややこしい迷路になってる。こんな建物って法令上建てていいの?知らんけど。

NEC文豪と富士通オアシスのワープロのキー入力の違いとか時代を感じるな。綾辻作品3作目だったけど、なんだかもうすでにマンネリでどれも同じかも…。こいつは江戸川乱歩や横溝正史っぽさのある古典的なサイコパス犯罪者ものか…、と思いきや、だがしかし!?

いやあ、こいつも参りました!w 大どんでん返し!最後の最後まで3回驚かされた。まさかの叙述トリックかよ!なんか、あの人物だけ描写が曖昧なのは序盤でちょっと疑問に思ったけど、流してそのままにして読んでいて、まんまと作者の術中に嵌った。

自分、初めて読んだ綾辻作品が「時計館」だったので、「鹿谷門実」という名前にはなんとなく記憶があったのだが、幸運なことにそいつの正体を忘れていたw なので、エピローグとプロローグでも叙述トリックに嵌められたw 

びっくり驚いて、それでいてサスペンスホラーとしてストーリーも面白いっていう。

綾辻行人ってすごい!w 大エンターテイナー。これからも読んでいく。改訂新版が出るたびに、分かりやすく一部を書き換えていたりするらしいので、これから読む人は最新のものを読むべきだろうと思う。
「十角館」もすでに旧版を100円で手に入れてしまっている…。いずれ読んで感想を書く。

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