2018年8月20日月曜日

ベルナルド・ベルトルッチ「ラストエンペラー」(1987)

「ラストエンペラー」(1987)という映画を学生のとき以来見返した。19日(日)昼1時からBS朝日でやるって知ってすぐ予約して。
これ、自分はまだたぶん後半しか見ていなかった。当時はよく意味のわからないシーンがあった。近年いろいろと日本近現代史を勉強してようやく再視聴。
自分に清国と清国人のイメージを具体化してくれたのはこの映画。たぶん日本人が支那人イメージを形成していった初期にそこにあったのが清国。なので「キン肉マン」のラーメンマンはあんな風貌になった。
紫禁城内部の宮廷シーンはグロいまでに絢爛豪華な歴史絵巻。衣装の量だけでとんでもない。
宦官だとか多数の側室だとか、20世紀まで存在していたことが脅威。日本は明治時代で側室とか第2夫人とかなくなってよかった。

皇帝溥儀の少年時代と青年時代を演じた俳優がスーパーハンサム。今日、日本人の我々の知っている溥儀の写真イメージと大違い。
自分、あんまり中国映画とか見ないけど、ジョン・ローンって今何を?
調べてみたら現在65歳になっているはず。もう引退したのかな。

この映画がいきなり人生最悪なシーンから始まる。戦犯として護送され収容所に入れられて自殺未遂。そして幼少時からの回想シーンが続く。
この皇帝は、辛亥革命、クーデター、内戦、満洲国建国、逮捕投獄、労働改造、文革…、庭師として生涯を終える。人生ハードモードすぎる。
溥儀の皇后婉容が一番不幸で見ていてつらい。紫禁城を追い出され早々に夫婦の関係は冷め切る。花食ってるシーンは哀れ。運転手との子どもは関東軍の甘粕に殺害。アヘン中毒を悪化させ気が狂って置き去り…。
第2夫人文繍は雨のなかふらっといなくなる。この人もかなり悲惨な末路をたどった…。この二人の心情的なつらさは大人にならないとわからない。

溥儀はダマされ流されどんどん顔面蒼白になっていく。最悪な生き地獄を味わう。清国皇帝一族の悲惨すぎる末路。
王朝の最期と言うのは記録に残ってないものも含めて毎回こんな感じだったかもしれない。

ベルトルッチ監督の演出があざやか。黄色いカーテン、白いカーテン、目の前で閉ざされる門、どのカットも色鮮やかですばらしい。すべてハッとさせられる。
元皇帝陛下を何の敬意もなくあそこまで粗雑に扱えるのは中国人ならでは。取り調べする検察官(?)が毛沢東のような髪型。三ツ矢雄二に似てる。今回さらに「未来少年コナン」のレプカ局長にも似てると感じた。

坂本教授の甘粕が活舌が悪すぎるw 「ぜんぶ日本のものだ!」と叫ぶのは日本人の感性からするとやりすぎな気がする。心の中ではそう言っていても日本人にはタテマエがある。教授は甘粕より近衛首相に見えた。
川島芳子はもっと美人女優にやってもらいたかった。嵯峨浩ももっと可憐な感じにしてほしかった。

飼っていたネズミを門にたたきつけて殺すシーンは目をそむけたくなる。あれは幼年期の終わりを示すために必要なシーン? ハムスター飼ってる人は見る時注意。
書庫に放火される夜、心細いとベッドにやってきた正室、そしてまた側室がやってくるのだが、皇帝「キミも来なよ」ってなるシーンは、初めて見た当時「?!」ってなった。

オリジナルだと219分あるそうだ。今回の放送がどのシーンがとか確認してないけど、印象に残っていたものがいくつかなかったことはわかった。
今回放送された吹き替え版が地上波初のときのものかどうかも自分にはわからない。

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