2018年7月14日土曜日

コリン・デクスター「オックスフォード運河の殺人」(1989)

コリン・デクスター「オックスフォード運河の殺人」の1996年ハヤカワ・ミステリ文庫版(大庭忠男訳)を手に入れた。
このミステリー作家の作品は代表作だけでいいかなとも思ったのだが、デクスターの文庫本は今では手に入りにくいので、見つけた時が買い時だと思いなおして購入。100円。
THE WENCH IS DEAD by Colin Dexter 1989
英語原題が邦題とまったく違う。自分、wenchという英単語を知らなかった。多少に軽蔑的意味合いもあるっぽい。この原題だと作品のイメージがしやすい。邦題は販売の現場の要請?
タイトルのとおり、オックスフォード運河で旅行中の女が殺され、その後にふたりの船員が死刑となった事件なのだが、これが19世紀ヴィクトリア朝の事件。

この本の序盤5分の1は酒とタバコの大量摂取によって救急搬送されたモース警部による、英国50歳男胃潰瘍入院体験記。英国人のユーモアは病室でもデフォ。ここまではかなり面白い。

入院中にこっそりポルノ小説を読もうとしたりする、相変わらずの好色中年男モース。だが、「オックスフォード運河の殺人」という古い研究所をたまたま手にして真相の推理に挑む。つまりこれはいわゆるベッドディテクティブもの。

自分、高1ぐらいのときジョセフィン・テイ 「時の娘」という本に挑戦してみたことがあったけど、英国の歴史にまったくなじみがなく太刀打ちできなかった。
なのでこの本もどうかな…と思っていた。実際あんまりイメージできないものもあったけど、これが意外と悪くなかった。

モース警部が暇つぶしで挑んだ130年前の殺人事件。テキストを読み込んで謎を解いていくのかと思いきや、早い段階でモースは事件のあらましを直観で断定。あとは証拠探し…。

日本で言ったら天保から安政にかけての時代。家に実際に行ってみたモースが証拠を発見する場面はちょっと驚いた。
だが、東京では考えられないけど京都とか田舎の豪農の家とかならありえるかもって思った。

この1冊は異色作かもしれないけど、ボリュームがちょうどいい感じ。自分はわりと好きだった。ちょっと飯塚事件のことも頭をよぎった。

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