2017年7月13日木曜日

ディクスン・カー「アラビアンナイトの殺人」(1936)

ディクスン・カー「アラビアンナイトの殺人」(1936)の1961年創元推理文庫版(宇野利泰訳)がそこに108円で売られていたので購入した。
まったくその存在を知らなかった作品だが、カー作品の創元推理文庫は100円ではなかなか発見できないのでラッキー…だと思った。

ペルシャ、エジプト関連の私設博物館で刺殺体が発見される…という事件。3人の警察関係者がテーブル囲んで事件の顛末を一晩かけてフェル博士に聴かせるという千夜一夜物語構成。

このカー作品の中で一番ぶ厚い515ページの大長編。読んでいて集中力が続かずとにかく疲れた。

まず全体の3分の1、アイルランド人警部がわかりずらい事件のあらましと捜査を語る。地味な事件であんまり興味をひかれないw

次にロンドン警視庁の副総監が、事件に巻き込まれた東洋学者(牧師)の先生の証言を語る。
本の半分まで読めば、ははぁ、これは若者たちの悪ふざけ現場にマジメ学者が闖入していまい、双方が「あれ、なんかおかしい」と思いつつも、自分に課された役割を果たそうと奮闘してしまうという、三谷舞台でみられるようなドタバタ喜劇だと気づく。登場人物たちが完全に西村雅彦と近藤芳正に見えてきたわw

で、最後の3分の1がスコットランド人警視による、論理がキッチリカッチリした解決編。もうこのあたりに来ると細かいところは覚えておらず、話が複雑すぎて何が何だか見失うw 
犯人はこいつだと確信したけど起訴できなかった…。どうしよう?フェル博士!

「ちょちょ、フェル博士、寝てる?!」「起きとるわ!」ここ、笑った。
大どんでん返しとでもいう犯人を指摘して終わるのだが、何も証拠がないw それで事件を解決したって言える?

この本、カー作品の中でも評価は低いようだ。ぶっちゃけそれほど面白さを感じなかった。
もうちょっと話を単純にわかりやすくしてほしい。重要な点だけにして短くしてほしい。エラリー並みに読むことに困難を感じた。よほどのカーオタにしか薦められないw ジャケット表紙絵のダサさは異常。

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