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2017年4月7日金曜日

エラリイ・クイーン「フォックス家の殺人」(1945)

次にエラリイ・クイーンの「フォックス家の殺人」(THE MURDERER IS A FOX, Ellery Queen 1945)の1981年ハヤカワ・ミステリ文庫(青田勝 訳)版を読む。自分が手に入れたものは1983年の第3刷。

この本は「ダブル・ダブル」を手に入れた店で同時に買った1冊。エラリイ・クイーンの本ってあんまり古本屋では出会わないから、そこにあった3冊をまとめて買った。108円でゲット。紙はだいぶ酸化がすすんでる。

この本もライツヴィルというアメリカ北東部のニューイングランド6州のどこかにあるという設定の架空の町が舞台。
中国戦線で英雄的活躍をした空軍大尉の帰還の歓迎行事の場面からスタート。
この大尉、戦場で心を病んでいた。婚約者といっしょに12年前の父親が母親を殺したという事件の再捜査をエラリイ探偵に依頼する。

「ダブル・ダブル」がぜんぜん頭に入ってこない文体だったのに対し、「フォックス家」はすごく読みやすいしイメージしやすい。
だが、展開は地味。1932年に起こった毒殺事件の真相に迫るエラリイ。

全体の5分の4が、冤罪を晴らすための再調査なのに、むしろさらに不利な証拠が出てきたりするドタバタ。最後の最後になって、事件の舞台の屋敷と関係ない人物が重要参考人として浮上してきて急展開。やっと面白くなる。

毒杯が配布される手順を執拗に追うので、そこに集中力が続かないと読んでいてつらい。
エラリイの提示した説明に納得しなかったのが、犯人とされて12年服役した当家の主人だけというのは信じがたい。

なんとなく結末はこうじゃないかなという予想はついていたw あまり探偵推理小説っぽくなかった。
エラリイ探偵って自分の中ではハンサムイメージができつつある。

調べてみたらエラリイ・クイーンってもう日本でだけ一部が細々と読まれているようになっていた。多くの本が入手困難になっているっぽい。

2 件のコメント:

  1. 今の新本格と呼ばれる日本の作家たちは殆どカーとクイーンのチルドレンですよ。クイーンの初期の売り物は最終章の前に必ず「読者への挑戦状」が入っていることでした。

    けっこう渋い「フォックス」で2冊目・・・あと残る3冊を推理してみましょうか。どうやら創元はなさそうで、ハヤカワだけとして、ブログの話の流れで「Y」「X」「災厄の町」「九尾の猫」も無いみたい。ライツヴィルシリーズはあと「十日間の不思議」「帝王死す」「最後の女」が残っていますけど、まさか後の2つはないでしょうね。「中途の家」とか「盤面の敵」あたりなら損のない感じ。「国名シリーズ」も1つぐらいあるかな。
    「国名」といえば、「スペイン岬」を古本で買ったとき、登場人物一覧の犯人の名前に鉛筆で丸が付いていたのが、未だに悔やまれます。

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  2. ツイッターとかで検索すると今でもエラリイ・クイーン読んでる人は意外に多い。それも今人気の作家からさかのぼって読まれてる。80年ぐらい前の作品なのに。

    たったこれだけの記事から推理されてしまいましたか…。ただ、フォックスを読んだのがもうひと月ほど前なので、日々また状況が変わってきてます。

    ハヤカワで3冊同時に買った残る1作とは…、2日後に答えが出ます!

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