2016年12月28日水曜日

劇場版 零~ゼロ~(2014)

「劇場版 零~ゼロ~」(2014)という映画があるので見てみる。ホラーゲームの映画化だそうだが、もちろん自分は何も予備知識を持ち合わせていない。

冒頭で「女の子だけにかかる呪いがある…」とささやき声のナレーション。なんかそれ、わくわくするなw
どうやら舞台は全寮制のキリスト教系女学校のようだ。
森の風景は日本の見慣れた感じ。

和洋折衷木造校舎なのだが、制服のデザインが乃木坂を質素にした感じ。フランスを思わせるような制服と帽子。中世の修道女たちのように見える。この衣装のまま麦わら帽にエプロンで園芸作業をする。こんな学校、日本にあるのか?

教室内で少女たちがザワザワしてる教室内のカットからセンスがとても良い。

「私たちはみんなアヤに恋してた」、え、やっぱりそんな展開? なんとほとんどみんなアヤ(中条あやみ)のことが好き。
そうだな、かわいい女の子同士はお互い好きになるべきだな。
礼拝堂で賛美歌を歌うと思いきや、森鴎外訳による「オフィーリアの詩」が中条によって歌われるのだが、この楽曲がユニーク。

好きな子の写真に深夜0時にキスをする…という呪いの儀式をした少女が失踪していく。アヤの生霊?!にビビる美少女ホラーらしい。
礼拝堂でアヤの幻影が天井から降りてきて、女生徒たちがバタバタと倒れていくシーンが西洋の宗教絵画のイメージのようで新鮮。
蓮の沼を歩いてくるアヤのシーン、ジョン・エヴァレット・ミレイの「オフィーリア」そのまんまの水死体の映像、見ていてこの映像のセンスは女性っぽいなと感じていた。何もかもが一定以上の美意識を持っている。
ヘンリー・ジェイムズの「ねじの回転」を思わせるし、ダリオ・アルジェント監督の「フェノミナ」のようでもあるし、深津絵里主演の「1999年の夏休み」も連想。

メリーさんと呼ばれる謎のロリータファッション年増女が突然登場するのだが、最初は中越典子だとはわからなかったw
写真館で生まれ育ったメリーさん(中越)には小学生の息子がいるのだが、これがとんでもなく古風な二眼レフカメラで写真を撮っているw

「呪いを解いて」と霊から要求されて行動するもう一人のヒロインは森川葵。
ショートヘアーで個性を放つ。アヤのために勇敢に立ち上がる可憐なヒロイン。
アヤの写真を撮ろうとカメラを構えるのだが、えっ?!っていうような古い一眼レフ。おそらく50年代ツァイスイコンのコンタフレックス。

物語の途中であきらかに世界観が違う場違いな葬儀屋が登場する。どうやら原作者のほかの作品から移植したキャラらしいのだが、マンガっぽくなった。
あと、足の不自由な自閉症の弟とその姉のシスター。この二人があんまり不気味な感じがしない。お姉さんはごく普通の美人で何も怖い要素がない。

近づいてはいけない貯水槽が事件のカギ。このへんの事情と解決編と少女たちの旅立ちのラストの展開がテンポが悪くていろいろと残念。

だが、日本の山の中の風景にフランス北部の修道院のような風景を持ってきた違和感にむしろ新鮮さを感じた。

グロくない耽美派美少女ホラーの1時間45分。ホラー?80年代角川アイドルミステリ映画のようでもあった。自分は見ていてまったく飽きなかったし楽しめた。
中条あやみは好き嫌い分かれそうな顔かもしれないが、齋藤飛鳥なみのすごい美少女。

短髪ヒロイン森川葵は目がギョロっとして唇が厚い。男っぽい顔だちでチョイブスに撮れてるwけど、そこが魅力を感じた。ひょっとして、森川がフィルムカメラオタになったきっかけってこの映画?

ポスターのデザインも予告編もこの映画の雰囲気をあまりよく伝えていない。

0 件のコメント:

コメントを投稿