2016年5月13日金曜日

リトル・フォレスト ロケ地をめぐる旅(5)~いち子の家

奥州市のフィルムコミッションは、ロケ地めぐりをする人のためにチラシを用意してくれているのだが、「いち子の家はセットのため存在しません」とされている。

原作者がかつて住んでいた家は現在別の住人がいるために、撮影に使用することができなかった。
ロケ班スタッフは前沢区の山の中の使われていない納屋を見つけ出し、改築してセットとして使用した…と、いろんなところにそう書かれている。この家についてはどこでも語られない。

だが、我々はいつものクセで見つけ出してしまった。オープンになっている情報を組み合わせることで、場所を絞り込んでgoogleの航空写真から、「これかな?」というそれらしい候補地を探し出した。

だが、田舎なのでストリートビューが家の周辺まで行っていない。どんな家なのか不明。岩手在住の人ならば、実際に行ってみて確かめることもできる。だが、東京から実際に行ってみるとなると何か確証が必要だ。
だが、確証を見つけ出した。2014年5月撮影の周辺林道のストリートビューに、撮影隊のものらしきワゴンが何台か駐車してる様子が写りこんでいた!この道のさらに登ったあたりにスタッフらしき若い男が車の進入を止める看板を設置しようとしている姿も映っていた!
さらにキメ手になったのが、橋本愛が手押し1輪車を使っているこのシーン。ワゴンの上に積んである手押し1輪車とほぼ同じ。この段階で確信したので、衣川でのロケ地めぐりを終えた後に行ってみた。

で、我々もスタッフが車をとめたあたりに駐車して、林の向こう側にチラッと見えている赤い屋根の家を目指す。

だが…、あれ?ひょっとして先客がいる?岩手ナンバーの軽自動車が既にそこにいた。
おそるおそる家に行ってみると…、「?!」

なんとその家の持ち主と見られる50代ぐらいのご婦人が、おそらく農作業の休憩中と思われる姿で、窓を開けて縁側に腰掛けていた!w いきなりばったり顔を合わせてしまった。き、気まずい…。

すかさず丁重に低姿勢でご挨拶。「あのう~、お家の写真を撮らせてはもらえませんか?」
休憩中に近所の人が来たのかと思えば、見ず知らずの男二人連れ。あちらもさぞ驚いたことだろう。
「映画を見て来たんですか?」
「あ、はい」
「衣川のほうは見て来た?」
「そうなんです。衣川を見てこちらへ来たんです」
「どうして、ここがわかったんですか?」
ま、家の持ち主からしたら、そこが一番の関心事。
「地図を見てだいたいこのへんかな?って捜して来たんです」(てへぺろ)
いちおう許可を得たので、家の反対側の畑の向こう側へと回って写真を撮る。映画だとこちらが家への道のようだが、こちら側は竹やぶで荒れ果てた畑で道はない。
あまりにいい年した男が二人、嬉々としながら、うひょうひょ言いながら写真を撮っている姿を、このお母さんは最初はなんとなく遠巻きに眺めていただけだったのだが、見て何か感じ取ったのか次に信じられない一言が…
「中も見ていきますか?」 
「ええぇっ!?い、いいんですかぁー!?
ご好意に甘えて内部も見せてもらったw 村人を迎え入れるいち子のごとく、家のドアを開けて中に入れてくれた。
入っていきなりパノラマ写真を撮った。
おそらく、この家の中に実際に入ったロケ地巡礼者はおそらく我々が初ではないか?w 
あの驚いた様子だとロケ地めぐらーと遭遇したのも初めてだったっぽい。
あの映画の撮影場所に今、自分が入り込んでいるという奇跡!
「ボロボロな納屋だったのに、ロケ隊の人たちにこんなにきれいにしてもらえて願ったりかなったりだった」とか、「この梁はもとからあったものだ」とか、「あそこは以前は田んぼだった」とか、いろいろなことを教えてもらった。

ストーブと煙突は撤去済み。煙突の穴は塞がれていた。
しかも、「これ、食べる?」と、前沢の街で買ってきたというホイップあんぱんまでいただいてしまった!w な、なんて親切なお母さんなんだ! ありがたい、ありがたい。あいにく我々はお返しするものを持ち合わせていなかった。
興奮しながら一通り写真を撮って大満足。いや~、大感動!w

今回のこのエピソードを公開すると、「中も見せてもらって当然」って誤解する人もいるんじゃないかと書くのを躊躇した。
我々は外観の写真を撮っただけで撤収するつもりだったのだが、あくまで話がはずんだ流れで中も見せてもらえた。

いちいちいろんなことに感動している様子をおしげもなくさらした。リアクションはどれだけ大きくてもかまわない…ってことを、自分は乃木坂のまなったんから学んだw
最後に、お母さんから「遠くからも水を汲みに人がやってくる湧水が出る場所がこの近くにある」と教えてもらった。「ぜひ、行きます!」「どうもお邪魔しました」と丁重にお礼を言ってその場を去った。そこに居たのは30分にも満たなかったんじゃないかな。
なんか、ますます「リトル・フォレスト」という映画が好きになってしまった。
PS. で、教えてもらった湧き水の場所へ行くと、先客の老夫婦がいた。大五郎のでっかいペットボトル20本ほどに水を汲んでいた。
我々のクルマが八王子ナンバーなのを見た老婦人が「わたしは昔、八王子で働いていたのよ」と話しはじめた。「ええぇぇっ?!」

旅にはそんな出会いがいつもある。ありがとう、さようなら、衣川、前沢の人々はみんな親切だった!

5 件のコメント:

  1. 初めまして。中学時代にYUIにどハマりし、ストーカーの如くYUIの情報を調べ上げていた頃にこちらのブログを幾度となく拝見させていただきました。ふとこちらのブログのことを思い出し、久しぶりに覗かせていただいたのですが、リトルフォレストの聖地巡礼までされているとは…頭が上がりません。中学時代に大変お世話になったお礼と、今なお続くYUIへの思いに感動した旨をお伝えしたくコメントさせて頂きました…
    これを機に、これからまたブログを拝見させて頂きたいと思っております。更新を楽しみにしています。

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  2. このロケ地はYUIとあんま関係ないけど…。
    毎日YUIネタがないか探してるけど、ぜんぜん見つからない。

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    1. 確かに直接関係はないですね。今や公式からのアナウンスはほぼないので寂しいものです。過去を遡るしかありませんね…

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  3. このコメントは投稿者によって削除されました。

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  4. よく見つけたね、素晴らしい

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