2016年4月25日月曜日

岡本喜八 「日本のいちばん長い日」(1967)

岡本喜八監督による1967年版「日本のいちばん長い日」をやっと見た。以前から一度は見ないといけないなと思っていた。

全編モノクロで157分。ヘビーな内容で膨大すぎる登場人物たち。集中力が続くか不安だったのだが、まったく飽きることなく惹きこまれたまま一気に見終わった。

1945年8月14日、ポツダム宣言受諾の閣議から15日正午の玉音放送までの、終戦に反対する陸軍内部の騒乱を描いている。

終戦のときも二・二六事件と同じことが起こった。中堅の将校たちが「天皇陛下の意思」を「君側の奸」がそそのかしたことだと信じないのだw もう完全に狂ったテロリスト。天皇陛下の寝起きする場所にまで機関銃を向ける。
この人たちのこともあんまり書くつもりもないし考えたくもない。

ま、有名な作品でここで詳しくその内容を語るつもりはない。
知ってる俳優たちの若い頃の姿が次々に出てくるので、あ!この人なんて人だっけ?ってつぶやきながら見ることになる。

畑中少佐を演じた黒沢年男の異常にギラギラした目とギトギトした汗と、イッパイイッパイなテンションの高さがすごすぎた。もう完全にキチ●イすぎた。近衛師団長の殺害シーンがこんなにも凄惨だったとは知らなかった。

迫水内閣書記官長が加藤武だ!若い!自分はこの人を金田一でしか見たことなかったので新鮮だった。終戦の詔書の文言をめぐる閣議の紛糾、そして官邸と宮内省の「いつできる?」という催促の電話のやりとりが何度も続く。
文言案を書き写し読み合わせる書記官たちの緊張、こういうシーンは本で読んだだけではよくイメージできなかった。

首相官邸を襲撃する横浜警備隊隊長の天本英世がもう完全にバケモノ。怒鳴り声がぜんぜん聴き取れない。こんなキモチワルイ隊長を上司に持った兵隊はたいへんだ。

井川比佐志、高橋悦史、小林桂樹、児玉清、加山雄三、小泉博、神山繁、といったベテラン俳優たちの若い頃が見れて楽しい。ナレーションが仲代達矢だ!ってすぐに気づいた。さすがに昭和天皇が八代目松本幸四郎とはわからなかった。

昨年のリメイク版もいつか見ると思うけど、そんなに見たいわけでもない。

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