2015年11月16日月曜日

五日市物語(2011)

東京の西のはずれに五日市という町があった。1995年に秋川市と合併して現在あきる野市になっている。おそらく東京都民でも知らない人が多いかもしれない。

この映画はなんとあきる野市が製作し、DVDはあきる野市が販売元という完全ローカル映画だ。
この映画が作られているときから存在は知っていたのだが、たぶん絶対につまらないと思った。目的が五日市の観光PRだし。秋川の市民ホールでしか上映されてないし。監督したのが市の職員だし。

だが、自分にとって五日市はここ数年とても馴染み深い場所だった。ライトハイキングのために何度も武蔵五日市駅に来ている。驚くほど立派な駅だ。行政施設のほとんどを秋川に取られた見返りのためだったのか、五日市線の終着駅だけは町に不釣合いなほど立派だ。

それに、ローカル映画でも意外な傑作もあるということもある。ついに重い腰をあげて見てみる。映画として見るというより、「あ、知ってる!」って場所を確認したいがために見てみた。
自分は人に言われるまでもなく、五日市が素晴らしい場所だということをよ~く知っている。今年の夏も1回バーベキューしに五日市の山奥まで行った。

主演は遠藤久美子。この人、90年代の人気アイドルでテレビドラマやバラエティに出てた。CDも出してる。自分もなんとなく覚えている。この人が30代になっても女優を続けていたことを知ったのはごく最近になってからだ。いろいろと苦労したことだろうと思う。

渋々引き受けたテレビの仕事で五日市のことを調べにやってくるヒロイン。五日市、あきる野市について世間一般人の持つイメージをそのまま上司と会話。そして秋川駅で降り立つ。「田舎っぽくない…」、秋川の人は都会だとは思ってないけど、田舎だとも思ってないと思うぞ。

市の職員にタメ口で、人によっては不快なほど押しが強く騒々しく非常識で変な人。このヒロインが好きな人は少ないだろうな。女優としての遠藤に魅力を感じるまでには至らなかった。

尾美としのりも先生役で出てる。秋川の河原で「だりぃ~」という高校生たちにふるさと五日市についての授業。東京の人でさえよく知らない五日市を知ってもらうための紙芝居が始まる。え?映画で紙芝居…。あとは劇団俳優と素人総出演。

五日市について初めて知ることが多かった五日市郷土愛映画。「だんべ」って群馬の人が使う方言だと思っていたら、五日市も「だんべ」を使うって初めて知った。

後半こそドラマになってるけど、やっぱり映画としては地元民が見て楽しむ映画でしかなかったな。映画として面白いかは置いといて、自分としてはいろいろと興味深い話を聞けたのでよかったけど。

0 件のコメント:

コメントを投稿