2015年6月30日火曜日

是枝裕和 「海街diary」(2015)

ついに「海街diary」を見に行った。東京郊外のイオンシネマまで友人とふたりで。「リトルフォレスト」を見た友人が「劇場で見ないと後悔する作品がある」と急に乗り気になってきた。実は自分はブログを書き始めて8年間、一回も劇場へ足を運んで映画の感想を書いたことがない。劇場へ映画を見に行ったのがいつ以来なのかまったく記憶がない。

公開からもう3週間たつ。そろそろ空いてるし行きどきだろう。しかも、最終だと1300円で見れるという。自分が見てきた回、我々を含めて9人の客だった。
自分は近年映画を見るのはもっぱらパソコンでDVD。2時間の映画を見る集中力がまったくない。5分置きに止め、1分置きに止め、疑問に思った箇所はときにちょっと戻したりして見ている。久しぶりの映画館、2時間半、集中力が続くのか不安だった。

この映画の宣伝番組はすべてチェックして見た。繰り返し見て鎌倉へ行ってきた。おかげで江ノ島や七里ガ浜、片瀬海岸といった鎌倉の海をみるだけで、あの「ヴェニスに死す」みたいな音楽、マーラーの第5番から第4楽章アダージェットのような音楽が自然と頭の中に流れるようになってしまった。
普段は100分ほどの映画でも長くて耐えられないことがある。宣伝番組で事前に名場面的なものが頭に入っていると、次から次へと知ってる場面が現れてくれるおかげで退屈しない…ということを今回学んだ。しかも知ってる場所が映画にたくさん出てくる。

もちろん自分は重篤のまさみオタなので、まさみオタ視線でのみ見てきた。まさみが出ているシーンはまさみしか見ていない。実は、長澤まさみが出演している映画を劇場まで見に行くのは「クロスファイア」を有楽町マリオンまで見にいって以来wだった。
「長澤まさみがエロい」という声ばかり事前に耳にしていた。自分は毎日毎日まさみのことを考えていて生きることが辛い。普段はなるべくまさみを「女性」として見ないように極力努めている。まさみが視界に入るだけで毎回ダメージを感じる。いつも恐る恐る見る。

わりと長澤まさみの評判がいいみたいだけど、ここ数年のいつもの長澤まさみの演技だった。普段あまりまさみに注目してない人にとって、この映画の長澤まさみは新鮮な発見だったのかもしれないけど自分からすれば、まさみは普段からあれぐらい「エロス」を放出してますけど何か?って感じ。
すずの案内で旅館の部屋に着いたまさみが「ビールぅ~!ビールぅ~!」って横になるシーンは「ロボコン」の「お父さん、ゴハンまだぁ~?!」そのまんまだった。まさみは酒好き男好きってことだけど、酒好きの女があんな体型のわけがない!だが、まさみはだいぶ酒にやられた声みたいだけど。

逗子鎌倉あたりで育った女が坂道であんなにヘロヘロにならないと思う。それにあのキャラの次女、「ぼくの妹」のまさみを連想した。お固く地元信金勤めってちょっと違和感。就職にそうとうなコネが必要じゃないのか?
事前に是枝監督の「奇跡」を見てから「海街」を見たのだが、期待したほどには新鮮さや特別な何かを感じなかった。劇的なことはいっさいないのが是枝だけど、ちょっと退屈に感じた。マンガ原作がある映画化だったので他とは違うのかも。ダイアリーというからには四季ごとのエピソードひとつひとつがネタとして面白くあってほしいと感じた。
この映画は特別な1本になる予感がしていたのだが、買いかぶりすぎだったのかもしれない。欧州の批評家からそれほどの評価を得られなかったのもわかる気がした。ウブじゃない欧州の映画通には退屈だったろうなって。四姉妹がみんな優しくて思い遣りがあるとか、欧州じゃ考えられないのかも。

だが、美しい四季が画面に存分にあふれていた。映画館を後にするときに確かな満足感があった。
法事から鎌倉の自宅に戻ったおんなたちのカット、樹木希林は腰をおろして買ってきたアイスをすずに渡す。夏帆と大竹は仏壇に直行。綾瀬はすでにイライラ。個々が勝手に動いているこのシーンの情報量が多すぎて1回見ただけでは理解しきれない。「ラス・メニーナスか?」って思ったわ。画面真ん中で立ち尽くすすずはマルガリータ王女にも見えた。

驚くべきことに是枝監督は長澤まさみに画面手前右隅でストッキングを脱がさせた。
リリーフランキーもこの映画を「エロい」と言っていた。長年まさみオタやってる自分もまさみの下着姿やストッキングを脱ぐシーンを見たのは初めてだった。

脇役陣では堤も加瀬も坂口も脇役すぎて必要を感じなかったが、リリーだけは「コイツ、天才俳優だな」って思った。
「広瀬すずを好きになってしまったらどうしよう?」「オマエにその覚悟はあるのか」というバカ会話をしながら映画館に向かったのだが、残念ながら現時点まだ広瀬すずを溺愛するまでは至っていない。だが、特別な存在になってくれそうな予感はする。

三女夏帆の演技が自然ですばらしいと感じた。すずと「ちくわカレー」食べながら父の話をするシーンはいいなと思った。長女綾瀬は母親への反発や不倫、次女まさみとのけんかシーンなど見所が多かった。次女まさみの演技と台詞はやや舞台っぽく強いようにも感じた。
ラストシーンの喪服の女たちが七里ガ浜の砂浜をなんとなくゆらゆら歩いているシーンはとてつもない名場面。
まさみは完全にスーパーモデルだと思った。完璧すぎた。絶望して暗い気分になった。「かじかざわおんせん駅」ですずが3姉妹を見送るシーン、綾瀬はるかと夏帆は顔が似ている感じたが、まさみは完全に別格の世界的セレブだなと思った。

ま、DVDが出たらまた見て感想を書くと思う。今回はこの程度で。後からじわじわくるのかもしれない。

カンヌで上映されたときの「NOTRE PETITE SOEUR」(私たちの小さな妹)というタイトルは素晴らしいと思った。映画だとそれほどダイアリーという感じはしない。
(7月10日一部追記、思い返しながら書き足した。海街diary、絶賛公開中。)

7 件のコメント:

  1. 夏帆。『みんなエスパーだよ』
    7月2日3時20分からテレビ東京で再放送開始。

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  2. うわぁ~、もう少しでTSUTAYAで借りるところだった!今予約した!

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  3. まさみ好き2015年7月3日 23:18

    おぉ、劇場にて観賞されたのですね。
    本作ではまさみ様の遊び要素のあるお芝居と健康的かつ圧倒的な美とエロスが炸裂し、とても満足でした。彼女の奔放演技が好きな自分にとっては。オープニングから引き込まれました。
    作品としても非常に美しく優しいのだけど、淡々としすぎている感じもありますかね。
    ところでインスタにてまさみちゃんが「カメラが欲しいのだ。」とアピールしています。お勧めを紹介するチャンス!?

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  4. まさみ鑑賞用にDVD出たら買いたい。
    まさみは何でも思いつきで「欲しい」とか「なりたい」とか言うからなあ。
    コンデジ、スマホ以上のことがしたいならデジタル1眼しかないけど、まさみならぜひカメラCMをやって商品をもらうべきだな。

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  5. まさみ好き2015年7月4日 21:47

    確かに…
    >まさみは何でも思いつきで「欲しい」とか「なりたい」とか言うから
    その素直さが魅力の一つではありますが。
    なかなかの激戦区ですが、ぜひベテランあおいちゃんのあとに続いてCM(とカメラ)を手に入れてほしいですね。

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  6. まさみは恥ずかしがりやでついふざけてしまうけど、後々考えると気まぐれ発言のようでいて実は長期的に考えてたことなのかもって思わせるところがすごい。美容も舞台も語学もぜんぶ完璧にこなしてる。

    「DJになりたい」は早く実現させてほしい。長澤まさみがステージで酒飲みながら皿回す「由比ガ浜オールナイト」とか希望。サンバカーニバル飛び入り参加とかも希望w

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  7. まさみ好き2015年7月5日 9:36

    気まぐれ発言でも強い意志と実行力があるのかなと思ってます。かっこいい。

    まさみちゃんの回すDJパーティー最高に楽しそうですね。サンバ隊やロック界隈も呼んでまさみフェスでも可w

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