2015年2月5日木曜日

ガンジス河でバタフライ(2007)ディレクターズ・カット版

これは2007年10月にメーテレ製作で2夜連続テレビ放送されたドラマのDVD。宮藤官九郎脚本で20歳の長澤まさみが主演した。
ローティーンから長澤まさみを見ていたマサミオタとしては長澤まさみのコメディエンヌ的素質とクドカン脚本が核融合を起こした重要な作品だと考える。

18~20歳という年齢はひとつの危機だな。古い例だと広○涼子、最近だと日○響子、人気アイドルは周囲からの視線とプレッシャーで奇行だのスキャンダルだので自分を見失う。

おとなしい子と思われていたまさみはもともと笑いのサービス精神が高い少女だったのだが、この時期に一気に性格が陽気になったと周囲で言われ始めた。だが、まさみは真面目な性格でこの時期を切り抜けて今では同性から憧れの眼差しを受ける人気女優。

自分は放送当時に録画して見ているのだが、今回初めてディレクターズ・カット版DVDを見た。実に7年ぶりに見た。10代からずっと15年にわたって人気女優の長澤まさみは本当にすごい。
これ、いろいろと嫌なことを思い出すので見たくなかった。自分はインドには行ったことないけど、空港のゲート前におっさんたちが群がっている国は大抵このドラマで描かれているような酷い国。

このドラマは徹底的にインドを日本人が行けるような場所ではないように描いている。原作者たかのてるこの体験を元に書かれているので、おそらく実際もこんな感じなんだろう。クドカン脚本でさらにアナーキーでカオス。まさみは泣いて笑ってる。全身で喜怒哀楽を表現している。惜しみなくすっぴん顔をさらし、他の女優はしないような変顔ブサイク顔を連発。自分にはどれも狂おしいほどに愛おしい。

自分も海外長期一人旅の経験があるから言うけど、海外は本当にこんな日本人をなめきったような、泥棒のような輩がいっぱいいる。本当に水を500円で売りつけてくるテキトーなやつとかいる。外国人は金持ってるんだから何してもいいと思ってる。自分も群がってくる物乞いの子どもたちと初めて遭遇したときはこのドラマのまさみと同じような反応をした。

最愛のまさみが最初のほうはインド人に囲まれて困り顔でクヨクヨ情緒不安定。自分なら討ち死にしてもまさみを助けたい。全身に矢を受けてそのまま果てようともまさみを守りたい。泣いてるまさみは演技でも見たくない。ま、自分も海外一人旅のときはこのドラマのまさみみたいな感じで怒りと哀しみだったけど。
このドラマは就職氷河期の女子学生も描いている。本人たちは採用という正当な職務をしていると思っているだろうけど、良い人材を採るためと称して、若者たちに圧迫と恥辱を与えた採用担当と面接の仕事をしたことある人は、みんな呪われてるし地獄に落ちると思うよ。

このドラマではカースト制度の現実にショックを受けるヒロインも描かれている。自分に優しいインドのお母さんが召使には罵声を浴びせる。どうにもならない問題として描かれる。インドの未来に期待するのもほどほどしかできない。

まさみの寝起き直後の顔がパンパンでふくれていてびっくりした。まさみはたまに顔に増減が現れるけど、スタイルだけはずっと素晴らしい。意外にインドの風景に溶け込んでいる。けど、「海外での仕事が好き」と言う長澤まさみの口からその後「インド」の名前が出たことはほとんどない。インドはガチでやばい国なのかもしれない。
まさみは首に蛇を巻き、顔に生きたヤモリも乗せている。とにかくこのドラマはまさみオタにとって必須。このドラマのまさみを愛せる人は真性まさみオタ。クドカンドラマが好きな人にもオススメ。

2 件のコメント:

  1. クドカンだけに飽き足らず、大人計画ファンなので見てみたいでし。
    彼が脚本を手掛けた市川海老蔵・中村獅童の六本木歌舞伎も…気になりつつ、諦めてます(;_;)

    昨年12月に、大人計画と劇団☆新感線が手を組んでやった舞台「〜大人の新感線〜ラストフラワーズ」をWOWOWで観たのですがクドカンは演者として出てました。
    他のキャストも豪勢で、阿部サダヲや星野源、平岩紙、古田新太、高田聖子…双方の看板役者を揃えたって感じでした!でもやっぱり際立ったのがクドカンで、ギターが弾けなくなった空気の読めないフォークシンガーの役だったのですが…あのような姿で街歩いたらよく職質に引っかかるのがわかるような気がしましたw
    クドカンは演者として出てる姿を見てないので、とても新鮮でしたww

    今年の秋にクドカン脚本の舞台「ウーマンリブ」がやるので…本人も舞台に上がるかもしれないから見てみたいでし…

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  2. まさみ兄が荒川良々、カレー屋店長が皆川猿時、めちゃくちゃなドラマ。
    ライブに舞台に行ってると金がかかりそうだなぁ……。

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