2015年1月14日水曜日

らくごえいが(2013)

この映画のDVDは本田翼が出てるという理由だけで見た。なんの予備知識もなく見た。びっくりするぐらいに困惑させられた映画だった。

落語を原作にした短編3本と、若手からベテランまでの落語家たちの映画を見た感想と批評からなるドキュメンタリーな側面も持った構成になっているのだが、これ、本当に劇場で公開されたものなのか?

各短編の前に若手落語家によるマクラがあるので、落語に詳しい人なら何の落語がネタ元なのかわかるだろうと思うけど、3本ともよく理解できない作品になっている。

1本目は「ねずみ」という落語を元にした「ビフォーアフター」という作品。これが一番何が言いたいのかわからない作品だった。

2本目は「死神」を元にした「ライフレート」という作品。山田孝之と本田翼、そして最近ドラマや映画でよく見かける安田顕が出演。これも「世にも奇妙な物語」的な感じに仕上がっていて役者が上手いので見栄えするけど、ラストが疑問。

3本目は「猿後家」、三谷脚本っぽい感じの映画撮影現場での監督とプロデューサーとスター俳優の修羅場。制約によって映画がめちゃくちゃになっていくコメディーなのだが、これも見ている側は困惑するだけの作品。こんな映画が現実にあるわけないだろう。だが、これが一番見ていて楽しい作品かもしれない。意外なキャストが出演しているところが見所だが、撮影を停滞させるスター俳優の正体がなんてことなくてガクッときた。

自分は落語に多少は接してきたつもりだけど、どの作品も一度も聴いたことがない。自分は志ん朝のCDでしか落語を聴かないので志ん朝のレパートリーにないものはまったく知らないという特殊な落語リスナーだけど、この映画を見て一番困惑したのは落語に詳しい人たちだったんじゃないかと推測。落語に感心があるからって見ちゃいけない映画。

そこに落語への愛があったかどうか?一番敏感に感じ取ったのは、この映画を見て感想を求められインタビューに応じた落語家たちだっただろうと思う。やんわり否定的な見解を述べている人も多かった。若い人に落語に興味を持ってもらいたいという期待に答えられない落語映画だった。

ある程度有名な俳優や芸人が出演しているにもかかわらずなんら話題にもならなかったし、箸にも棒にも引っ掛からない映画になってるのは一体なぜ?本田翼が出てるにもかかわらず何も話題になってないのはなぜ?特典映像の舞台挨拶を見てようやく事態が飲み込めた。学生映画だったのだ。

ま、そういう企画なら仕方がない。だが、そういう実験的な映画ならわかりやすく大きくジャケットに書いておくべきだ。商業的な娯楽作品ではない、と。
この映画は本田翼にとって2作品目の映画だったそうだ。ま、出演時間も短い脇役。本田翼は女優になるって決意してから、こんな小さな映画の端役まで何でも受けてたんだな。本田、出演時間は短いけど強い印象を残していた。映画の華だった。何度でも言うが、Tシャツにショートヘアの女の子は最強。

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