2014年6月9日月曜日

ラドン(1956)

きまぐれで「空の大怪獣ラドン」(1956 東宝)という映画を見てみた。日本が独立して5年しか経っていない時代のカラー映画。ゴジラのヒットによって東宝はさらに特撮怪獣映画をつくってしまった。自分はまだゴジラも見たことがないが、音楽担当は伊福部昭なので「ラドン」を見てみようと思った。

まだテレビ放送も始まっていない時代、日本の地方都市のカラー映像がとても貴重だし興味深かった。ラドンが福岡の街を破壊するのだが、あの西鉄のビルはYUIがライブしてた場所では?!

九州の炭坑町、坑道で謎の他殺体が発見される。この箇所がなんだか「八つ墓村」っぽい雰囲気。登場人物がみんな時代劇俳優っぽい所作と顔立ち。婦人は着物姿。日本の風景は戦後しばらくもずっと幕末とたいして違わない。現代人とは顔がだいぶ違う印象。建物やバス、オフィスの風景など当時の日本をカラーで感じることが貴重に思われた。

実はこの映画を観る以前に、WOWOWで「ウルトラQ」という昔の円谷特撮テレビ番組シリーズを放送していたのを数話をちょっと見てみた。30分番組だからしかたないかもしれないが、現代のドラマと比べて脚本が弱いと感じた。「鳥をみた」という回では「ラドン」のシーンが使い回されていた。「ラドン」のほうが「ウルトラQ」よりも先に違いない。出演している俳優たちが若い。若き日の白川由美が出ている。

自分はこの手の作品になんら詳しくないのだが、なんだか面白かった。当時の特撮水準だと鳥の怪物を描くのは難しかった。ここがちょっと滑稽。あの羽ばたきと形状でマッハで飛べる?

若い鉱山技師と白川由美や生物学者、新聞記者一人が作戦の最前線になんでいるの?普通そこにいられないだろ。まるで野次馬。
だが、全体的な印象としては今でも大人の鑑賞に堪えるSFサスペンス映画だと思った。

最後は登場人物一同が呆然と燃える山を眺めて終わる。やっぱり「八つ墓村」っぽい。

次は「モスラ」を見ようと思う。

2 件のコメント:

  1. 川崎鶴見U2014年6月9日 18:05

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    怪獣大好き!
    今年7月に公開されるアメリカ「ゴジラ」は、Trailer見るとすごい怖くて楽しみです。
    日本は着ぐるみと低予算に加えて、脚本がバカなので、すぐ怪獣ショーになってしまいます。
    でも初期は「ラドン」と「バラン」が黒沼健。「ゴジラ」香山 滋。「モスラ」中村真一郎、福永武彦、堀田善衛と、ものすごいメンツの原作者。
    特撮は今から見れば稚拙でも、ちゃんと物語として見れます。
    それとタルコフスキーもびっくりの、超スローな初代ゴジラの動きの様式美!
    ラドン(外国ではロダンです)に、ぶっ壊される天神や西海橋のセットが、もったいない!
    この2本と金子修介の平成ガメラの三部作が、私にはBEST。
    「ウルトラQ」はBOX持っていて、カネゴンとか、ガラモンとか、ナメゴンとか無茶苦茶です。
    ゴジラの着ぐるみ改の「ペギラが来た!」とその続編「東京氷河期」が低予算でも楽しめます。

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    アメリカ版はたぶん見ないなぁ。
    夏帆ガメラは見たことある。
    「ウルトラQ」を何本か見てみたけど、あの時代のテレビだから仕方ないかもだけど、質が低い脚本の回が多いなあ。人が大きくなって山で暴れたり、子どもの幽霊がさまよったり……。
    円谷特撮の街セット、あれを壊すのは楽しそうだ。

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