2014年5月31日土曜日

ヘディン 「さまよえる湖」

スウェーデンの探検家スウェン・ヘディンが1934年にコンチェ河・クム河をカヌーで下ってロプノール湖に到達したときの再訪問の記録「さまよえる湖」を読んだ。

岩村忍訳(昭和18年?)の平成元年の角川文庫版。これ、以前にちょっと読んだけど、読み通してなかった。GWに読み返した。楼蘭遺跡の墓の発掘、ガシュン・ゴビの砂漠の自動車探検旅行を回想しプルジェワルスキー、リヒトホーフェン、オーレル・スタインらのロプ湖論争に終止符を打つ。ぶっちゃけこの箇所は事情が分からず読んでいてよく意味が分からないですけど。

ヘディンの中央アジア探検は1890年代から始まっているので40年ぶりの再会などの名場面もあるのだが、自分はこの本を読むのがヘディン探検隊に関する初めての本だったのでよくわからない。

20世紀初めまで世界には地図上の空白地域が存在した。世界の探検隊の目はこの地域に熱い目を向けていた。英独日仏の考古学調査隊がこのエリアを目指した。当時は南京政府、新疆省、東トルキスタン、馬仲英の反乱軍、督弁・盛世才といった人物や勢力が争っていた政情不安地域。探検は命がけ。

中央アジアでは天山山脈から流れる川は時代によって流れを変え、タリム盆地の砂漠の中へ消える。シルクロードの楼蘭を繁栄させて、やがて消えて、20世紀に再び表れ、再び消滅した河と湖の神秘。

以前は「地球の歩き方」とか読んで、ウルムチとかコルラとかホータン、トルファンや敦煌、ハミといった場所へいつか行きたいと思っていた。今は日本人が一人旅とか危ないイメージ。

この時代は未知の砂漠とかあって少しうらやましく思う。砂嵐や熱さ寒さと闘い、盗賊や戦乱を避けながらの探検。インディージョーンズたちの時代にあこがれる。

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