2014年5月30日金曜日

竹島はどこですか

2月の下旬ごろ、「竹島問題100問100答」(WiLL3月号増刊 ワック出版)という本を書店店頭で見かけて購入してしまった。
竹島問題を各方面から解説し、韓国の反論に反論する「竹島問題」啓蒙書。
この雑誌は右派系外交オピニオン誌?自分は日々こういった問題にそれほど関心があるわけではないが、歴史的資料の写真が豊富なので欲しくなった。

竹島は北緯37度14分、東経131度52分の日本海南西部に位置する西島と東島の二つの島を中心として周囲、約40の岩礁からなる、面積0.21平方キロメートルで日比谷公園とほぼ同じ無人島。
これ、今回暗記した。竹島は1954年9月以後は韓国が武装占拠中で日本人が上陸できない事態になっている。

国際法やら漁業権、島根県の取り組みに関する諸問題は自分にはあまりよくわからなかったけど、さっと読み通した。
それなりに知識を補完してくれる内容ではあった。880円という価格に見合う知識は得られたかと思う。

実は自分は以前、「竹島問題」に関する本を2冊ばかり読んだことがある。主に歴史に関しての本だった。この本でも17世紀末、伯耆国米子の大谷・村川家による約70年続いた幕府の許可の元で行われたアワビ漁、アシカ猟の記述や、安龍福の漂着と「元禄竹島一件」、「天保竹島一件」、「1877年太政官指令」の諸問題をそれぞれ2~3ページさいて解説。自分の知識を補完してくれる1冊だった。

この本では韓国側の主張に完璧に反論しているかのように思える。だが、「竹島問題」に日本に不利な事実はないのだろうか?裁判でも双方に有利・不利な事実はあると思うので第三者によって双方の主張を取り上げるような1冊がほしいところ。

1877年に島根県令が内務卿に問い合わせた「竹島外一島」の件への「太政官指令」は数少ない日本側の失点な印象を持った。この日本側の説明が海外にわかってもらえるかどうか。

しかし、「世宋実録・地理誌」における「于山島」が「竹島」であるとか、「石島→独島と変化した」とするなど、韓国側の「固有の領土」という証拠資料はもっと弱いといという印象をもった。

条約解釈の基本ルールとしてウィーン条約条約32条というものがあることを、この本を読んで知った。規定の解釈があいまいで不明確だったら、条約の準備作業と締結の際の事情に依拠することができると書いてあるらしい。

ちなみに、サンフランシスコ平和条約の米英草案に対して韓国は以下のような要求をしたことがある。

草案第2条a項「日本国は、朝鮮の独立を承認して、済州島、巨文島及び鬱陵島を含む朝鮮に対するすべての権利、権限及び請求権を放棄する」という規定を、

「……朝鮮並びに済州島、巨文島、鬱陵島、独島およびパラン島を含む日本による朝鮮の併合前に朝鮮の一部であった島々に対するすべての権利、権限及び請求権を、1945年8月9日に放棄したことを確認する」という文言に置き換える

この要求に対してラスク国務次官補は「独島すなわち竹島ないしリアンクール岩として知られる島に関しては、我々の情報によれば朝鮮の一部として取り扱われたことは決してない」と拒否。「パラン島……は撤回されたものと理解する」とこの本に書かれている。

韓国は外交交渉で得られなかった島を武力で得た、と批判されてもしかたがない印象を持った。日本の主張への反論を、しかるべき場でせずに、かみ合わない方法で声高に主張することは自分には奇異に映る。法と話し合い以外にどういう解決の方法があるというのか。

さて、自分はこのパラン島に関心があるのだが、この島に関する本を見たことがない。国際条約で領土として要求してみたものの、一生懸命探してみたものの見つからなかったマボロシの島。何それ?
だが、実は日本も以前、存在しない島を領土としていたことがある。友人にパラン島の話をしたら、日本も同じようなことがあると教えられた。「中ノ鳥島」別名「ガンジス島」だ。

こんな本を古本屋で買ってしまった。世界の古地図に描かれた「幻の国」を追う(河出書房新社 2011)だ。中ノ鳥島について書かれていたので500円で購入。

アトランティス、ムー、エデン、エルドラド、シバの女王国、中世ヨーロッパの北限の島トゥーレとか聖ブランダン諸島などの伝説の島、国を軽~く紹介、解説するムック本。
ムー大陸って名前はよく聞いたけど、実在した根拠がまったくない単なる大ホラ話だったのか~。

この本の最後に「実在すれば日本最東端の島」として「中ノ鳥島」のことが少し書かれている。

明治41年に山田禎三郎なる人物の発見報告に基づいて東京府告示で小笠原庁の所管とした。だが、その後まったく発見できず昭和18年軍機告示により図示から削除……。いさぎよい。

一方で韓国は今でもパラン島をあきらめてはいない。

パラン島にしても中ノ鳥島にしても、なんだか面白い。絶海の孤島は発見しても2度目に行くとなかったりすることも世界の航海史ではよくある。今ではグーグルアースのおかげで秘境や幻の島というものがなくなってしまった。

今も世界は無人島や岩礁でもめている。

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