初めて道尾秀介の本を手に取った。これもたまたま、ほんの気まぐれで。「向日葵の咲かない夏」(新潮文庫)という本。105円だったし。
小学4年生の少年が、「殺されたんだ!」と主張する友人の生まれ変わりだという「蜘蛛」と一緒に友人の死体を探す…という、ぶっとんだ設定のミステリー。というより、かなり特殊で独特な設定のサイコスリラー。
読んでいて、あ、なんか面白いなって思ってた。動物殺しだったり、幼児性愛のヘンタイ教師だったり、グロい箇所は人によっては不快だろうけど。
だが、終盤になると、「ええぇぇっ!?」という展開。読んでいてずっと引っ掛かっていた箇所のタネが、「あれ?なんか変だ」という違和感と共に少しずつ明かされる。著者が読者を完全に上回っていた。
頭の中で映像化して読んでた。けど、これ映像化できないじゃん!妹が3歳っぽくないな、母親がなんかおかしいな、とは思ってたけど、兄と妹が相談に行くお婆さんの正体!活字ならではのトリックだった。主観と客観の幻想、騙し絵。
現実でない、リアルでない幻想的なミステリーホラ(法螺)ー。今年読んだ本としては一番衝撃的だった。これからは道尾秀介を読もうと思う。
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道尾秀介は極私的第1回能年玲奈映画祭 「カラスの親指」の原作者ですね。
あのときは知ったかぶりのコメントして大恥かきました。
第一長編「背の眼」は冒頭一行目の言葉の意味が分かったときが怖かった。
でも続編の「骸の爪」もそうだけど、緩いというかまったりしてるんですね。仏像の知識なんか半端ないです。この2作は道尾秀介という人物がワトソン役です。
「シャドウ」と「向日葵の咲かない夏」は互いに対になっているようで・・・
衝撃的な傑作でした。
「片目の猿」はアニメっぽいキャラと設定でどうなるかと思ったら、
信じられないほど見事に騙されて・・・ただ笑うしかなかったですね。
「カラスの親指」を含め直木賞貰う前後の作品は読んでないです。
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「片目の猿」→「片眼の猿」ですね。ども。
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実は「片眼の猿」はもう読んで感想も書いてしまいました。ちょっと批判的なことばかり書いてしまいました。
「背の眼」はあらすじを読んで自分とは違うかなと思ってまだ手にとってません。評判いいなら読もうかと。