2014年2月14日金曜日

OLYMPUS PEN-S のシャッターに挑む

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昨年末から愛用のPEN-Sのシャッター故障の自力修理に挑戦していた。何とか再び組み終わって試写に行って来た。

いろいろと参考になるブログやサイトを見てまわって少しずつ修理を進めていったのだが、なにせ素人なもので、シンクロ接点のネジ頭をナメてしまったり、ネジやピンを床に落っことしてしまったり、想像以上に細かい作業に悪戦苦闘。とてもじゃないが素人にはオススメしない。

自分は過去何度もカメラ分解に挑んでいたのだが、シャッターに挑戦したのは初めて。このカメラは60年代の機械シャッターでかつ、とてもメジャーな機種なので多くの人が分解してブログに書いてくれているおかげで可能だった。
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ジャムのビンをベンジン漬け専用ビンにしてシャッター部品をまるごと漬け洗い。だが、24時間洗浄を3回ほど繰り返してもやや固着している箇所があるようなので、さらに左下の黒いリングの下にハマっている回転駆動するドーナツ状の金属も取り外して洗浄。小さいピンがどうはまっていたのか観察してから取り外す。ははあ、固着の原因らしき箇所を発見したので洗浄へ。

ちなみに右上の半月型の部品はスローガバナーと呼ばれる1/30以下のスローに必要な部品。多くの小さな歯車が回転することで時間をかせぐ。

洗浄した部品を乾燥させ組み上げると、ようやくリングがスムーズに回転するようになった。シャッター羽根を慎重にポッチにセットして、左が上のアルミ製の枠にはめ込む作業がなかなかうまく行かずに難航。羽根をつけない状態ではめ込む練習をしてから羽根を組んだほうがよかった。ここが最大の試練だったわ。

なんとかパキッとはまったかと思ったら、シンクロ接点のリード線を切断。ハンダ付けという作業も増やしてしまう。ハッキリいってこのカメラ、1万円ほどで完動品が買えるというのに、こんなめんどくさい作業、もう2度とごめんだ。仕上げにシャッター羽根や歯車あたりに、4B鉛筆の芯を削った粉を潤滑剤の代わりにパラパラと微量ふりかける。何度もシャッターを切ってみて動きがスムーズなことを確かめる。

ピントを調整するためにすりガラスが必要だったのだが、そんなもの手に入らない。しかたなく、CDケースの板にコンビニレジ袋を切って貼り付けることで簡易すりガラスを作成。メジャーで測った3メートルの壁にピントが合っている状態で、目盛りが合った状態でピントリングをそっとかぶせる。ちゃんと2mや5mの箇所でクリック感があるのでほぼ合わせられたと考えることにした。無限遠もなんとか大丈夫じゃないかと楽観。
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一時はもう放棄してしまおうかとも思ったぐらいに窮地に陥ったが、なんとか再び組みなおすことができた。自分のPENは美品じゃないけど、こうしてみると愛着がわく。美品じゃないがゆえに何処へでも気兼ねなく持っていける。
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ハードオフで買っておいたジャンクフィルムを使ってテスト。白黒のネオパンプレスト100の使用期限切れ12年以上(!)のもの。1本100円だったので買い占めてきた。きっと12年前の写真が撮れるに違いない。
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で、1月中頃に奥多摩町を歩いたときの写真ができた。古いフィルムでなにも問題ないようだ。だが、問題点に気づいた。

以前はそれほど気にならなかったのだが、ファインダーのブライトフレームがやや左方向に傾いていることに気がついた。ブライトフレームで構図を決めると、ほぼ全ての写真で左肩が下がった絵になってしまっていた。

ブライトフレームは接着剤で固定されているので修理ができないようだ。ジャンク品を探してファインダー部分を交換することも頭に浮かんだが、もう修理はこりごり……。

なので、建物とか遠景とか撮影するときは、垂直と水平に注意して、カメラ自体の金属枠を意識するか、ベストと思った構図からやや左に体を傾けて撮るしかない。

あと、意外にハーフサイズは横構図で撮ってもいいことに気づいた。横構図で撮るとなぜかそれほど水平性が狂わない。
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遠景でもほぼ問題なくピントが合ってくれている。
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近くの被写体でもピントを外さない。自分のカンがいいのかもしれないが。レンズがいいのかもしれない。ただ、パララックスの特性をまだつかんではいない。

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