2014年2月16日日曜日

誉田哲也 「月光」(2006)

きまぐれでこの本を買った。誉田哲也 「月光」(2006)の徳間文庫版(2009)。友人と待ち合わせしていたブックオフで105円で。自分が誉田哲也を読んだのは初めて。なんとなく名前はよく見かけていたから人気作家なんだろう。

「こんな本を買ったんだ」と、この本の表紙を友人に見せたら「ラノベ?」って言われた。そう見えるのか……。ま、姉の死に不審を抱いた少女が、姉と同じ高校に入って調査開始。次第に真実に近づいていく……。クラシック音楽が登場するっぽいし、自分の好きな清張型ヒロイン青春ミステリーじゃないかと推測した。赤川次郎かもしれないけど。1日で読めた。

自分は本を読み始めると各キャストを勝手に想像し始めるのだが、これは早々に断念。映画化は無理だ。不快感と嫌悪感を持った人も多いと思われる性的、ポルノグラフィックな箇所が問題になる。18歳以下にこの本を買い与えるには注意が必要かもしれない。

ミステリーというよりは人物関係のピースが最後にピタッと嵌るように判明していくような作品……と想像し、そう望んで読んだのだが、読み終わってもそれほど自分の予想を上回ってはくれなかった。
時系列が過去と現在をいったりきたりするけどサクサク読める。登場人物は高校生たちと中年音楽教師だが、それほど深みを感じさせない人物描写だった。ま、女性の性格描写が薄いのは清張もそうなんだけど。

だが、この本の舞台は赤羽!w 「駅前の本屋」とか「アピレ」とか出てきてた。川口、朝霞、十条などの地名が出てくるので著者はこの辺に住んでる?!

ま、面白かったか?って聞かれると、う~ん、73点ぐらい? この作家の作品はもう読まないんじゃないかな。ベートーヴェンの「月光」ソナタは死んだ姉がよく弾いていたという小道具でしかなかった。

2 件のコメント:

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    『ヒトリシズカ』の原作者ですか。椎名林檎の才能に圧倒されロック・ミュージシャンの道を諦め、小説家になることを決意・・・本当かね。
    姉の死を探る妹というのは、過去に樋口有介「風少女」(創元文庫)という爽やかな大傑作がありますが。「月光」は対照的にどぎついです。多視点展開は誉田の特徴らしいけど、もともとはモダン・ホラーの常套。
    「誉田、もう1冊ぐらいは買ってもいいんじゃない?」という感じかな。(でも買ってない)
    うまく集約したようでも、妹が実は姉と腹違いと知らないまま終わるのは拍子抜け。

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    この人の経歴おもしろい。
    「月光」は一番評価が低いみたいなので、これで判断は酷かも。
    こんど樋口有介も探してみる。

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