2013年9月28日土曜日

ノベライズ版「タイヨウのうた」

Taiyonouta自分もとうとうこれを読んでみた。2006年の映画「タイヨウのうた」公開に先駆けて書店に並んだノベライズ版「タイヨウのうた」だ。自分は映画の原作本など読もうと思ったことは一度も無いが、わりとみんな手にとって読んでるみたいなのと、105円でそこにあったのと。

まず自分は勘違いをしていた。この本は映画の原作ではない。XPという難病に侵された、太陽の下に出ることができない雨音薫というギターを抱えて歌う少女は登場する。その両親と、親友の美咲と、藤代孝治もいるのだが、映画とはなにもかもが大きく違う。

窓から見えるバス停も出てくる。そこから見える藤代孝治を好きになる雨音薫。映画を見てから読む人はみんな、あのキャストを思い浮かべながら読むことになるのだが……。

ギターはギブソン、両親は元バンド、美咲ちゃんは偏差値68で医学部志望、藤代孝治はサーフィン部主将で大会で入賞歴のある、下級生憧れのセンパイ……。は?映画とまったくイメージが違う。大いに戸惑う。

鈍感な自分でもようやく事態が飲み込めてきた。これは映画とはまったく異なる、小説として我が道を行く内容。雨音薫はストリートライブで小銭まで得ている。藤代を突き飛ばすシーンはあるものの、告白の展開の仕方などまったく違う。映画でのクライマックスのレコーディングラストが、この本では1000人規模の会場でのライブ。

美咲ちゃんの存在が映画よりも重大。藤代孝治は県議の息子で受験にそうとう悩んでる。映画にまったく存在しない会話が多い。いや、映画と共通する会話が存在しない。

薫と美咲のガールズトークは、男にとっては恥ずかしくて読んでいられない!JCとJK向けケータイ小説?「性的」な要素も加わってる。美咲ちゃんの口から「セッ〇スした」なんて言葉は聞きたくない…。「孝治君、私の胸、触って…。」なんて言う薫は認めない!w

結論から言って…、映画「タイヨウのうた」に感動した人はこの本を手に取る必要は感じない。こちらを先に読んで、映画版を見た人も戸惑ったことだろうと思う。本だとちょっと重くて暗い。映画はどこかとぼけた明るさのある爽快な映画だった。映画をつくってくれたプロデューサーと監督に感謝だ。

Kakkoyokunai

4 件のコメント:

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    試写会付きライブの行列並んでる間に、この小説読みました。
    小説ラストのライブが、映画では試写会ライブなのかなと思っていたので、映画のラストに再登場して涙流しながら弾き語りしてくれたときには感動しました。

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    これを読んで思ったのは、映画は最初こういう風に作られるはずだったってこと・・・
    監督がYUI様にあわせて役柄を変えたようなこともどこかで語られていたしね。
    しかし、私の105円には帯がついてなかったな・・・。
    ああああ! あまちゃんが終わってしまった!
    毎日の楽しみが火野正平だけになってしまった・・・・

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    …映画しか観てない私には考えられないです。
    多分、YUIさんが出とったのがベストなんだなと感じてます。
    あまちゃん…ディーゼルカーの運転士を夢見ていたので好きです。三陸鉄道の車輌を使っているのでかなりリアリティがあります。
    クドカンさんの出身である宮城の栗原には3セクの鉄道があったんですが、かなり前(震災前よりも遥か前)に経営難で潰れてしまったのです。やっぱり赤字路線といえど学生や老人の足となっていたので多分、それと三陸鉄道が重なって描いたのかなと考えてます。

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    あぁ、試写会ツアー大阪のYUIボロ泣きは伝説だなぁ。このころは自分はぜんぜんYUIにハマってなかった。
    あと、沢尻ドラマ版が残されてるけど、これはさすがに見る気が起こらない。
    去年、宮古へ行ったとき三陸鉄道の駅でワインを買った。あのときは1年後に大注目されるとは思ってなかった。

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