最近は重い本ばっかりだったので、ちょっと軽めなものを選んだ。友人の本棚からこれを借りてみた。井上荒野「学園のパーシモン」(文春文庫)。4時間ぐらいで読み終わる。
井上荒野(いのうえあれの)って名前は聞いたことあったけど本を開いたのは初めて。2008年には「切羽へ」で直木賞を受賞している。ま、それなりに有名な作家。
学園長の死が近い重苦しい雰囲気の高等部。モデルのように美しい少女、絵を描く少女、男子転校生、絵の教師、それぞれの視点で語っていく……。大して事件は起こらない。謎もない…。期待して読み進めても何も驚くことも面白いことも得られない。結果つまんない。読み終えて何ら達成感を得られない…。
巻末の解説を読むと「登場人物の心理の変化が驚くほどきっちり計算され、考え抜かれた、構成の作品だと分かる」とあるけど、それ本当?自分には分からなかったわ~。
ま、高校生と30代の絵の教師の話だけど、あまり感情移入できなかった。途中から美少女のキャスティングを考えながら読んでたけど適切な女優が思い当たらなかった。
残念ながら誰にもオススメできない1冊だった。
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Wikiの井上荒野の項目は、実に簡素で、たとえば同じ2008年直木賞受賞の桜庭 一樹の項などとは雲泥の差。まあ、それが井上荒野の現実的な人気や評価なのでしょう。
でも・・・彼女の『切羽へ』。
これは完全な「あだち充」的世界で主人公の独白すら全く信用できない。
周囲の人々の主人公へのさりげない態度を積み重ねた末に訪れるクライマックス。
なにも起こらなくても、何も言わなくても、何も描かなくても凄い!痛い!
でも・・・・この手は「あだち充」と違って一回しか使えないんですよね。
新潮社でなく創元推理文庫が相応しい傑作でした
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桜庭 一樹、今調べるまでずっと男だと思ってた……orz こちらもまだ味読。
井上荒野、文章の雰囲気は嫌いじゃないので「切羽へ」もいずれ挑戦してみようかと思います。