2013年5月29日水曜日

宮崎あおい「祈り」(2005)

宮崎あおいはオリンパスのCMのイメージが強いが、知ってる人なら知ってることだが、かつてはフィルム一眼レフNIKON FM3A の使い手として知られていた。

2004年のメキシコ旅行の前日に意を決して購入したものだという。19歳の女の子らしくない選択だ。レンズは45mm1本のみで勝負。

宮崎あおいがこのカメラを使う影響力は当時大きいものがあったらしい。ストラップはなんと麻で編んだ自作のもの。すばらしいスタイリングだ。

メキシコ滞在中、宮崎は毎日フィルムを現像に出し、出来上がった写真を眺めては反省していたという。
そんなカメラ女子フォトグラファー宮崎あおいの2005年11月に出版された「祈り」を古本屋チェーンで見つけて105円で購入。
ちょっと古いタレント本って安い……。

2005年の4月から5月にかけて16日間、中国雲南省を旅したときに宮崎が撮った写真とエッセーによる1冊。

昆明、大理、諾鄧村、麗江、束河村、香格里拉、徳欽村、梅里雪山の明永村、と旅を続けた。自分も学生の頃行って見たいと思っていた場所だったが……、その後、いろいろと中国についての情報を見聞きするうちに行きたいとは思わなくなってしまった。こういった秘境をカメラ持って旅することにあこがれていたものだったが。
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いかにも文革を生き抜いた感じの、今でも人民服で過ごす白族のおじいさんと孫、チベット仏教の少年僧、昆明で出会った幼いホームレス姉妹のこと……etc.

この本を読んで初めて知ったことだが、宮崎は1年間、普通科の高校ではなく服飾系の専門学校に通っていたという。
映画女優として仕事が忙しくなると学校はやめて、通信制で高校卒業資格を取ったと語っている。なので「あまり友だちはいなくて……」「今でも会ったりするのはふたりぐらい…」なんだそうだ。

19歳の女の子らしい視点で仕事や恋についても語っている。
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自分はもう海外とか行ってみたいとかあんまり思わなくなってきたけど、チベットだけはまだあこがれの秘境だな。きっと見たく無いものまで見えてしまうだろうな。狂犬病や南京虫よりも他のことが怖い。

この本の最後で1991年の梅里雪山での17人遭難事故の遺体を捜しているフォトグラファーの話が出てくる。初めて聞いたことだ。今回の宮崎の旅をコーディネイトしたのはこの人だった。

こういう本とコーヒーで1時間過ごす。気の毒なほどに古本が安い。

3 件のコメント:

  1. 川崎鶴見(有)2013年5月29日 19:01

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    ルワンダでのドキュメンタリー見たとき思った。宮崎あおいは『平気な人』なのだ。どこへ行ってもなにを食っても生きていけそうな雑草の強さがある。けっこうハードボイルドな人だと思う。
    私は「駄目!」「出来ない!」  
    前は山田和「インドの大道商人」が愛読書で星野道夫も好きだったので、
    行きたいところはインド、ネパール、アラスカだったのに・・・。
    ひ弱なわが身の現実に目覚めると、衛生が、臭いが、食い物が、虫が、暑さが、水が・・・。
    今や行きたい場所は、ノルウェイ、スウェーデン、デンマーク。
    赤い屋根のある街へ行きたいな。(寒いところは平気です)

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    タンスの肥やしになっているソニーのαを出そうか悩んでいる今日この頃…。
    高校時代に友人との話についていくべく、一眼を買ってしまい、技術も上がらないままお蔵入りになってしまった…。
    水上か勝田辺りで何か撮るかな…。
    レンズは無事だろうか。

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    インドにいく勇気はないですw
    ブログ始める前、つい海外一人旅とかしたりしてしまったけど、もう海外はいいかなってw
    最新のものに次々と買い換えるより、古いカメラを使いこなすほうがむしろカッコイイと思ってる。

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