2013年2月17日日曜日

吉原公一郎「松川事件の真犯人」(1962)

松川事件についての本がないかな~と探していたら、あった!しかも105円で見つけられてラッキー。「松川事件の真犯人」 吉原公一郎 祥伝社文庫 (2007)だ。

なんとこの本は事件から12年後に取材し1962年に出版されたものを文庫化。
あの松本清張「日本の黒い霧」収録の「推理・松川事件」よりも後になる。4時間ぐらいで読み終わった。

昭和24年8月17日午前3時、福島県松川町の東北本線で列車が脱線転覆し機関士ら3名が死亡した事件。
この本を読んで、松川事件の前に庭坂事件、予讃線事件という迷宮入り事件も起こっていたことを初めて知った。もれなく若い機関士が亡くなっている。脱線事故は恐い。

膨大な量の松川裁判の記録は読む気が起こらないので、こういう手軽な文庫本はありがたい。びっくりした!おもしろかった!清張の「推理・松川事件」を読んでいるとさらにおもしろい。

「アメリカは悪魔」だ。占領軍はヤクザみたいなものだった。目的のためなら何ら罪もない人が死んでもかまわない。目撃者も消す。警察と検察が権力者の犬となって証拠の捏造と隠滅。無実の少年と労組幹部に罪を着せて十数年の裁判へ。でも、ボロがでまくり無罪確定。警部と検事の人間性を疑う。

昭和20年から26年まで、日本人にとって歴史の空白時代だ。事件を追うと必ず壁に行きあたる。関係者も口をつぐむ。巨大な黒いものがうごめいているのを感じて背筋がぞっとする。資料が開示されることを望む。

柴田哲孝が解説を書いている。この人が書いた「下山事件 最後の証言」もめちゃくちゃおもしろい!
清張の「下山事件」を読んでいた自分はこの人の本を5年ぐらい前に読んだけど、何度も「げぇぇっ?!マジかー!」とつぶやいてしまった。こことそこが繋がるのかよ?!って。
どうやら「松川事件」を追うと「下山事件」にも行き着くという……。「亜細亜産業」「消えたレビュー団」などまだまだ謎が残っている。今後もすごい事実が判明することを期待している。

2 件のコメント:

  1. 川崎鶴見(仮)2013年2月17日 23:11

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    昭和26年以降だって
    狭山事件も捏造、冤罪の可能性が高い。
    三億円事件犯人のモンタージュ写真は別人の転用だし。
    グリコ事件も背景が怪しい。最近では高知白バイ事件が冤罪のケースとして記憶に新しい。
    角田美代子容疑者の自殺だって不自然極まりないし、近頃じゃ話題にすらならない。
    特定の事件に限って、事件を解決できないような流れに嵌ってしまう。
    たぶん「うやむやにするように」という理不尽な横槍が
    「巨大な黒いもの」から入っているのでしょう。
    そういうのにマスコミは簡単に取り込まれてしまうし、そして我々は簡単に騙される。
    冤罪に追い込んだやつらが裁かれたっていう話は聞いたことがない。
    やっぱ、間違いだらけではダメなんですよね。ああ、真相が知りたい!
    「なぜ彼女は2度も休止したんだろう?」

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    狭山も以前本で読んだ。脅迫状を書いた万年筆が都合よく鴨居から見つかるとことか酷い捏造。裁判を続けているうちに時効で真犯人はわからないまま。

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