2013年2月7日木曜日

司馬遼太郎 「最後の将軍」

自分は日本史で幕末が苦手。まったく登場人物たちがわからない。徳川15代将軍慶喜のことを書いた本がたまたまそこにあったので手に取った。これは何かを自分に教えてくれるかもしれない。

日本人にもっとも親しまれている幕末の偉人といえば坂本竜馬。今日そのイメージをつくったのは司馬遼太郎だといわれている。自分はまだ「竜馬がゆく」を読んでいない。長すぎるから。いつか手に取るかもしれないが、そのいつかがなかなかやってこない。

「最後の将軍」は「竜馬がゆく」の連載終了後(昭和41年)に書き始められた。明治維新最大の立役者はこの2人だといわれている。

幕末のクライマックスのひとつ「大政奉還」というウルトラCがどうやってなされたのか?小学生以来の疑問が解けた。「じゃあ後はオマエら(朝廷)で好きにやってみろってんだ!」となかばヤケクソ。そのイメージは間違ってなかった。

狂った尊皇攘夷の志士に振り回される。民衆からも豚を食う将軍と嘲られる。徳川慶喜は幼少時から「家康の再来」と目されるほど頭が良かった。

が、よくわからない政治行動をするため誰もが離れていき孤立無援。「長州征伐やっぱ、やーめた」「鳥羽伏見の戦いで大阪城から逃げ帰って、松平容保と定敬を呆れさせる」「キライだった勝海舟に敗戦を全てまる投げ」など……。33歳で隠居生活。

大正2年まで生きていた。晩年はあらゆる趣味に没頭。自分をおどろかせたのが、この人は幕末の偉人たちの伝記をよく読んでいたらしいこと……。

西郷と大久保、島津の薩摩をずっと恨んでいたようだ。幼い明治天皇を囲った岩倉と大久保が権力の中心になる日本っていうシステムなんなの?

自分にはわりとおもしろい1冊だった。あっという間に読めた。

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