中国製カメラ 鳳凰 205B

これまた中国製のカメラ。1980年代に江西省で製造されたレンジファインダーカメラ「鳳凰」 205Bという露出計つきモデル。

これはジャンク1800円で売られているのを自分が見つけたのだが、これを友人に教えたら後日自分に黙って買っていた。何勝手なことしてんだよ！？じゃあ、思う存分さわらせてもらおう。ほとんど使用感のないキレイな個体だった。遠目から見たらまるでライカだ。レンジ機にはパララックスという問題があるが、なんとこのカメラのファインダーは視野が動いて補正する！本当に合ってるのかわからないけど。

ズッシリ重いが細部の工作精度はそれほどでもない。それに大きすぎる。だが、大きいから修理がラクという面もある。自分が見たところ二重像が無限遠でズレていたので、トップカバーをはずしてなんとか調整しピタッと合わせた。ネジの加減がとてもデリケート。何度も開けたり締めたりした。

カメラに漢字で「鳳凰」って書いてあるのって新鮮！

しかし、このカメラは設計が1960年ぐらいのスペック。なんと1980年から2000年ごろまで製造され、今でも新品がデッドストックで手に入る。18,000円台ぐらい？かつて日本の高度経済成長時代もカメラが家族の成長を記録するために、一家に一台必需品だったように、80年代90年代の中国でもカメラが大量に作られた。このカメラはヤシカの技術供与で作られたらしい。このメーカーは現在「PHOENIX」というブランドだ。

露出計が内蔵されているが、絞りとシャッターのリングを回すと、タテに緑、赤、緑と３つ並んだLEDが露出の過不足を教えてくれる。こういうタイプのカメラを初めてさわってみた。シャッターボタンを半押しで露出計LEDが点灯する。部屋でチェックしてみたところ適正値だったように感じたが、後日テストしてみたところ屋外では日照をやたらと明るいと判断する露出計のようだ。半固定抵抗を調整しないといけないかもしれない。まあ、露出計が信用できないなら自分で判断する。

このカメラのレンズは f2.8 50mm PHOENIX レンズ どうも絞りとシャッター速度のリングの工作精度がカチッとしていなく心もとない。ゆるゆる。

外側からシャッター速度、露出、ピントという順番になっている。これは戸惑う！ついシャッター速度のリングを回してしまう。カメラ本体に近い回し難いリングでピントを合わせる。シャッター速度を計測した結果、ほぼ正確な値を示した。300とは実際は250だ。

では先日試写に行ってトイラボからフィルムのデータが送られてきたので作例を。今回「efiniti UXi super200 」というフィルムを使用した。古いカメラのテストに36枚撮りはなるべく使いたくないのだがそれしかなかった。

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efiniti UXi super200 f11 1/250 （東京北区　古河庭園）　1800円で買ったカメラとは思えない1枚だ。

f11 1/250 （古河庭園）　友人が「海鴎」を、自分が「鳳凰」で写真を撮っていると、東京都の観光ガイドと庭を見て回っていた50代後半ぐらいの男性から声をかけられた。友人の二眼レフを見て、「そのフィルムはまだ売ってるのですか？」「なつかしい！」なんと中国人だった。我々の持っているカメラが2台とも中国製！？日本では中国カメラが流行ってるのか？って思われたかもしれないが、おそらくそれは世界でこの2人だけだと思う……。

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f5.6 1/150 　（東京・福生）

f8 1/250  （東京・福生）　なんだこりゃ？最近カバが気になり始めた。

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f8 1/125 （神宮外苑）　このあたりからコマが重なるようになり始めた。右側に多重露光が見える。あぁ、やっぱり36枚撮りは使わないほうがよかった。今後の対策を考えなくては。あと、光線漏れを起こしているカットが5枚ほどあった。モルトを貼らないといけない。あ、でもこのカメラ自分のじゃないけど。後日、プリントしてみた。コンビニの端末で出力したものと、家庭用EPSONのプリンターで出力したもの。プリントだとより写真が楽しい。よりレンズの力を感じられる。画質はEPSONで出力したほうの圧勝だった。

「鳳凰 205B」は安くていいカメラだったよ。写真は楽しいよ。

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f11 1/250
PS. 東京北区西ヶ原にある古河庭園に久しぶりに出かけた。近くのコインパーキングの片隅に高さ1.5mぐらいの赤い花が咲いていたのが気になって「なんていう花だろうね？」とカメラ構えて話していると、通りかかった品のいいおじいさんが「ちょうど切ろうと思っていたから差し上げましょう」と話しかけてきた。「あ、写真だけ撮らせてください」と断ろうとしたけど、バチバチ切って大量にくれた。オーナー地主か？「戦前からこのへんにいっぱい生えていたんだよ」って言ってた。「母が喜ぶと思います」と丁重に花をいただいたお礼を言って立ち去った。カメラをもって歩いているとこういうふれあいがある。ちょっとしおれかけてきたのでベランダのタイヤと一緒に配置して撮ってみた。