ジャンク品 3000円 「レンズカビあり。シャッター絞り動きました」と書いてある。お店の人は読み方も分からず、価格を示すプレートにも「?中 カメラ」と書かれていた。
自分は第2外国語が中国語だったのでわかるのだが、それは「華中」と読むんですよ。
実は、自分は以前に二眼レフカメラ(国産)でじゃんじゃん写真を撮っていた。フィルムコンパクトカメラから自分は写真の楽しさに目覚めたのだが、普通だと次のステップとして一眼レフへ移行する。だが、変態な自分はなんと二眼レフを使うようになってしまっていた。
レンズがタテにふたつあるのって、インパクトあるよね。6年ほどカメラにまったく関心を失っていたのだが、漢字ロゴがあるカメラってかっこいい!
自分は人が欲しがるような最新型のカメラにまったく関心がない。こういうホコリかぶってる謎の機械にしか魅力を感じない。昔、本で使い方を調べて二眼レフカメラで写真を撮って歩き回ってた。こんなカメラが使える俺ってすげえ!って酔いながら。
だから大体どんなカメラでも使えそうかそうでないかはチェックしてみればわかるようになった。二眼レフは今でも興味を持つ人が少なくない。ネット上で多くの情報に触れることができる。
店員にケースを開けてもらってチェック。「これは使える!」と直感した。なにもかも完全に動いていて故障はない。レンズカビがあるって書いてあったけど、自分に言わせると、こんな程度ではカビてるうちに入らない。古いカメラで写真を撮って学んだことがふたつある。
ひとつは「レンズにカビやキズがあっても写真は撮れる」ということ。そして、「露出計なんて必要ない」ということ。
「華中」は赤窓式でセルフコッキングじゃない古いタイプの二眼レフ。
店でチェックしたときは12という赤窓の斜め下に16という赤窓がある意味がわからなかったのだが、なんと6×4.5でも撮影できるマスクが中にはめ込まれていた。だから16枚撮れるのか~。これは楽しみだ。
そもそもこの「華中」というカメラは上海の「海鴎」(ハイオウ SEAGULL)というメーカーの海鴎4Bというモデルの湖北デッドコピー品。だから「海鴎」とまったく同じ写真が撮れるはず。シャッター速度がMAX1/500、アクセサリーシューのついたモデルもあるらしいが、自分のものは1/300までのもの。
80年前後というと文革の終焉、四人組逮捕、華国鋒から鄧小平へと権力が移行していた中国の混乱の時代。二眼レフと云うカメラは日本では60年代で廃れてしまった懐古趣味的なカメラなのだが、どうしてこんなカメラを中国が80年代にも作っていたのか謎だ。
外貨を稼ぐためだろうか?数が多くそれほど珍しいカメラでもない。まあ、そんなカメラが人から人の手を渡って自分のもとへやって来たのだ。
二眼レフカメラはほとんどすべてブローニーというフィルムを使う。12枚撮りで700円ちょっとする。6×6の真四角の写真が撮れる。1枚1枚しっかり構図を決めて、露出を決めてピントを合わせて撮影する。ぶっちゃけ自分は出来上がった写真がそこそこなら、もうそれ以上は求めない。
なによりも二眼レフで写真を撮るという所作と作法に様式美と魅力を感じている。では、トイラボであっという間に現像スキャンしてもらったデータでどんな写真が撮れるのか見ていく。
kodak ektar 100 f8 1/60 (足尾)
というわけで、試写してみて何も問題がないことがわかった。中国製なので個体差が大きいらしいのだが、ずっしり重くて操作感もしっかりしていて工作精度にまったく不満はない。3,000円でいい買い物ができた。今後これを使い倒していく。パソコン上でみるだけじゃなく、後日送られてくるネガからプリントもしてみたい。
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めちゃくちゃ格好良い…
特に最後の写真の異国情緒がたまらないです。
二眼カメラって初めて知りました…
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ほめてくれてありがとう。二眼レフはトイカメラから流れる人の多い趣味だよ。