世間の評価も高いみたいだし、野村芳太郎は巨匠だし。だがしかし、これは完全に極私的な自分の嗜好の問題だが、まったくつまらない…。こんなの金田一じゃない!
やはり市川崑は偉大だったなあと思う。市川崑金田一は後世まで残して世界に見せたいと思ったけど、これはむしろ見せたくないって思った。
趣味の悪い怪奇ホラー。芥川也寸志の音楽がくどい。時代を感じさせる大げさなラブロマン時代劇ふうBGM。市川崑のグギャッっていう感じのエレキギターの不気味な音のほうがいい。
残念ながら渥美清の金田一と各キャラに人間的な魅力を感じなかった。ってか、それを何も脚本は描いていない。調べ物をして各地を歩き回っている麦藁帽姿のおじさんだった。
忌まわしい因縁のくだりとかいらない。化け物に変身する小川真由美とか、桜の木をバックに走ってくる山崎努とか「サダコ」ホラーの系統に近い。
洞窟シーンが長すぎ。洞窟内で突然「行為」が始まったのには、もう見るのやめようかと思った。
ただ、これを見たことで「TRICK」の元ネタたちはこれか!って気がついた。
洞窟の中の辰弥に小川真由美がご飯を持ってくる場面とか、まんま山田と上田でよく見るシーンだった。落ち武者の呪いとか、迷信と因習だけに動かされるアホ村人たちとか。
野村芳太郎は「砂の器」しか見たことないけど、これのおかげですっごく自分的に評価を下げた。
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