2012年8月9日木曜日

吉田喜重 / 戒厳令 Coup d'ètat (1973)

以前から吉田喜重の映画を見てみたいと思っていた。日本映画に感心を持ってるとこの巨匠の名前は一度は耳にする。そして選んだのが「戒厳令」(1973年)。

自分は2.26事件にも北一輝にもなんら知識がないが、以前からちょっと知ってみたいテーマだった。大人になった今でも2.26事件についてはほとんど何もわかっていない。たぶん難しいだろうな~と思っていたが、見てみてやっぱりよくわからなかった。

別役実の脚本、一柳慧の音楽。緊張感が途切れないコントラストの高いモノクロ映像と画面の構図がアバンギャルド。東大仏文科卒のインテリ監督っぷりがビシビシと伝わってくる。

とにかく三国連太郎演じる北一輝が何だか得体が知れない。家で法華経唱えたり、近所を歩いたり接客したりしてるだけ。盲目の傷痍軍人との会話も子供との会話も、たえず怒っている表情の夫人との会話も何を話してるのかさっぱりわからない。

家に出入りする軍人たちと緊迫した会話があるものの、何がどうなっているのか一切説明がない。ちょっと頭のおかしい将兵とその妻が何の役回りなのかわからない。北一輝の誰も聞いてないぶつぶつとわけのわからない独り言。そして「ワタシは無関係だからね」といつも逃げ腰。こんな人だったのか?

当時の軍内部の勢力争いとか時代背景をしっかり頭に入れてから見ないと、何が何だかわからず苦痛で終わってしまう。

2 件のコメント:

  1. 新宮の町内会長2012年8月10日 0:04

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    私はこれ、三回通して見ました。
    とても、素晴らしい作品です。

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    マジですか!?自分ももう2回は見たいと思っていたところです!

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