2012年8月25日土曜日

「タイヨウのうた」最大の山

YUIは映画「タイヨウのうた」の取材を300本受けたという。「だけど、どの取材でもちゃんと同じように伝えたいから。これに関してはこう言おう、みたいに自分であらかじめ考えておいて。そんなことまで、出来るようになっちゃいましたよ(笑)。」と、語っているのがPATiPATi 2006年8月号

DVDのメーキング映像などを見ても、YUIの撮影中の苦労などはある程度は知ることができるが、本人が「最大の山」だと語った「薫の手が動かなくなるシーン」撮影中の出来事はこの雑誌に詳しい。YUIも小泉監督も共に初めての映画撮影だった。監督とのコミュニケーションがどのようなものだったのか?以下引用
「実はそういう話はは全然しなかったんです。撮影中は、言葉のやりとりっていうよりは、感覚のやりとりをしている感じだったので、監督の頭の中にはきっとこんな映像が浮かんでるんだろうな、っていうのがなんとなくわかるから、そう演じてみようと思うんだけど、それがうまくできなかったり。そういったことの繰り返しでしたね。でも主役だから、映画の中でちゃんと立ってないといけないと思って。じゃないと、家族のきずなとかも真っすぐ届かないですから。それで私はあくまで薫の気持ちを表現しようと思ったし。監督は映画全体のことを考えていたし、という部分で食い違うこともわりとありましたね。」
■そういう食い違いの中で、もっとも大変だったことは?
「やっぱり、薫の手が動かなくなるシーンかな。ここは薫の気持ちを前面に出したほうがいいって、私は思って。手が動かないっていう認めたくない事実を、一生懸命受け入れようとしているわけだから泣いて落ち込んでる薫を表現しようと思ったんです。でも監督が思う、悲しいだけじゃない映画っていうところと正面からぶつかっちゃって。で、私が思う薫は求められてないって思ったんですね。だけど、そのシーンで、私は初めて心を開いて自分の思う薫をやっていたので、みんなの反応がすごいつらくて。」
■それはヘコみますよね。
「もう、ものすごい落ち込んで。私の中から薫がいなくなっちゃった‥‥、と思ったんですよね。それで薫が(自分の中に)いないまま演じることなんかできないって。スタジオから飛び出したんです。大女優でもないのに(苦笑)。そのころってすべてをすごい抱え込んでやってたからそれが全部、一気に崩れちゃって。生き埋めになったような感じだった。」
■そこからどうやって立ち直ったんですか?
「とりあえず自分は置いといて、みんなの思ってることをもう少し冷静に見てみようと思ったんです。どこか吹っ切れたというか、開き直るくらいの感じになって。『こうかな?』ってやってみて、違ったら『じゃ、こう?』みたいな。結局、撮影中は出口が見えないままだったんですけど、映画が完成して観たときに、やっと出口が見えた気がして、映画を観た人から『前向きな映画だね』っていってもらえることが出口になってるというか。」

明るく前向きな映画にしたい監督と、悲しいところも見せていきたいYUIの間に食い違いがあったことが語られている。当時18歳のYUIは、監督として初仕事の25歳の青年監督にあわせていったわけだが、録り終えたときは「本当にこういう薫でよかったのかな」と不安だったという。この「薫の手が動かなくなるシーン」を「最初は観るのすら抵抗があった」と言っている。

「でもだんだん、これでよかったんだって思えるようになってきて。」と、この時点では納得している様子。次回この映画を観るときはここに注目してみてみよう。

5 件のコメント:

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    このシーンに注目して見たくなっちゃいましたね。
    ド素人の私にはあまりよく分からないですが、薫を演じている本人の中から薫が消えちゃうってどんな感じなんだろうと。
    よほど落ち込んだてしょうね。
    監督も初の映画だったんですね。
    でも監督もこんなYUIさんを見て嬉しかったんじゃないかなって思います(^_^)

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    そんなことがあったんですね!久しぶりにまた見ようかなあヽ(*´∀`)ノ
    YUIさんが砂浜で岸谷五朗さんの前ではしゃいでるところのメーキング映像がとても好きです(^O^)

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    公開からまる6年たってるけど、ファンにとってこれほど大切な存在の映画はないと思う。他歌手にはこういう語り継ぎたくなるような名作はないんじゃないかと思う。

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    DVDに付いてた撮影日記を読み直してみました。今まで意味がよくわからない部分もありましたけど、この記事で補完されたような気がしました。ありがとうございます!
    YUIさんにとってもギターが大切だからこそ、“弾けなくなる”ってことに対して敏感で強い気持ちがあったのかな…なんて思います。

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    その日記持ってないんだよなぁ……。自分も数年のインターバルを経て知ることが日々多いよ。

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