2012年6月7日木曜日

MOZART ホルン協奏曲

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このCDを見つけた。「げっ!?アラン・シヴィルのモーツァルトだ。しかもクレンペラー!」このCDの存在を全く知らなかった。750円だったけど迷わずゲット。Mozart : Horn Concertos / Alan Civil (hr) Otto Klemperer (cond.) Philharmonia Orchestra 1960 Testament 1997

管楽器の中で最も難しいもののひとつがホルンだ。正確な音程を安定して出すという事がとても難しい。そして、ホルンという楽器の音色はヨーロッパの民族にとって心の故郷のようなものだ。

アラン・シヴィルという英国のホルン奏者を知ったのはEMIのプーランク管楽ソナタ集のLPがたまたまあったからだ。「エレジー」という故デニス・ブレインの思い出に捧げられた曲がアラン・シヴィルの演奏だったのだが、自分には強く印象に残っていた。シヴィルはブレインとフィルハーモニア管で同僚。そして、師事したのはブレインのおとうさん。2人は兄弟みたいなものだったのだ。

この奏者のCDないかな?と以前に探したときはなかったのに。ようやく自分の理想に近い演奏に出あった感じだ。とてもいい。自分はクラシック音楽に世間の若者よりは深く接してきたつもりだったが、‥ 今までクレンペラーをナメてたわ。頑固なだけのイヤなじいさんだと‥。自分のほうが間違ってた。クレンペラーの伴奏が良くて、初めてこの曲のよさを理解できたといっていい。面白く聴けた。
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そして、今回このCDも久しぶりに聴いてみた。デニス・ブレイン(享年36歳)の残したモーツァルト。Mozart : Horn Concertos Dennis Brain (hr) Herbert von Karajan (cond.) Philharmonia Orchestra 1953 EMI

近年、CDの価格が激しく下がり、ネットで容易に多くの演奏に接することができるようになり、かつてのクラシックのスターの評価が下がる中でも、このホルンはNo.1のままだ。クセのない自然な音とカンペキな技術に驚く。英国に優れたホルン奏者が多いのもこの人の遺産だろうか。ただ、カラヤンの伴奏も自然でクセのない‥というわけにはいかない。今回クレンペラーを聴いてみてそれがはっきりした。録音が古いにしても伴奏がやや魅力で劣るかもしれない。
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そしてもう1人ホルン奏者を。東独のペーター・ダムも日本で人気が高い。Mozart : Horn Concertos / Peter Damm (hr) Neville Marriner (cond.) Academy of Martin in the fields 1988 PHILIPS

あたりまえだが、上の2人とは音がはっきりと違っている。デジタル録音の時代になって音がよくなっているはずなのだが、オケの音に対してホルンの音がちょっと遠い。ホルンの音が弱く感じるが独特の繊細な妙技を聴くことができる。なんてきれいな音だ!ただ、やはり伴奏にそれほど魅力を感じない。カラヤンよりは自然な流れだけど、繊細さを感じない。

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