YUIのナレーションの仕事～クローズド・ノート

ミュージシャンYUIが曲作りと音楽活動以外でした仕事というと何があるだろうか？女優？「タイヨウのうた」では日本アカデミー新人賞を受賞しているので、女優も立派な経歴になるだろう。意外に忘れられているが、YUIは主題歌を書き下ろした映画「クローズド・ノート」のナビゲーション的なDVDで、なんとナレーションの仕事をしている。

先日これをブックオフで500円で見つけたので買ってしまった。MUSIC MOVIE　With YUI　って書いてあったら、YUIファンなら誰でも「おっ？！」って思うよね。ただし、Amazonのレビューがすごいことになっている（笑）。YUI目当てで買ってはいけない商品らしい。

ただ、自分はリリースから5年経ち、500円で買ったという精神的余裕があったために、YUIのナレーションがどのようなものかを確認したいだけのために見たので特にダメージは感じなかった。YUIが朴訥と、棒読みに近い感覚で予告編的映像に、わずかながら朗読を入れている・・・。YUIの声は世界のどの文化に属する人が聞いても美しく魅力的らしい。YUIの声を聴くだけで満足な自分のような人間には価値がある。このDVDにはLOVE&TRUTHのピアノ･インストルメンタル版PVが収録されているが、これがYUIファンにはリリース時に大不評だった。そして、その後にリリースされた「LOVE&TRUTH初回盤」についていたDVDも初めて見たとき失望した。この映像は映画の宣伝じゃん！と。

4thアルバム「HOLIDAYS IN THE SUN」初回盤のDVDで、はじめてYUI版のPVが手に入った。でも、やはりLOVE&TRUTHのPVは自分的にちょっと苦手なPVだった。V系っぽい。そしてまた、先日これも手に入れた。

GYAO Magazine 2007年11月号を105円で見つけたのでそのままゲット。　YUIのインタビューが見開き2ページ載っている。一部だけ引用

■もしYUIさんが登場人物の立場で、好きな人にどんな過去があったとしても受け入れられると思いますか？

「そうですね。相手のことを本当に好きだったら乗り越えられると思いますね。自分本位で考えてしまったら〝どうして？〟ってこだわるかもしれないけれど、相手のことをきちんと考えることができれば、乗り越えられると思うんです」

■今作で映画主題歌を作るのは3作目だと思うんですが、通常の曲と、気持ちの持ち具合は違いますか？

「‥‥そんなにはないかな？どちらにしても普段からいろいろなイメージしているものを基にして書くことが多いので。ただ映画の主題歌は、原作や脚本を読んで書くことが多いので。自分が感じた気持ちを足して、さらに私というフィルターを通して書くんです。自分の中で少しでも〝こうは思わないな〟って思ったら絶対にその言葉は書かない。だって嘘は書きたくないから」

■では最後に映画を観る人に、観たくなるようなコメントをお願いします（笑）。

「あは。あの‥‥本当に切ない映画なんですが、人間ドラマにもなっていて。秋にはぴったりの素敵な映画になっていると思います。ぜひ、映画と一緒に私の歌も楽しんでください！」

↑　なんて仕事をYUIにさせるんだ‥。YUIは映画の広報じゃないぞ。しかし、映画「クローズド･ノート」をようやく重い腰を上げて観てみることにした。

なぜ今まで見ないでいたかというと、沢尻エリカが嫌いで、伊勢谷が生理的に怖いという理由だけ。バカだった。驚いた。普通にいい映画だった。行定勲監督のアイデアに満ち溢れたおもしろい衝撃的作品だ。138分がぜんぜん長く感じなかった。なんとなく予想できてしまう展開ではあるものの、十分合格点。沢尻エリカがとても魅力的で可愛く、この映画の公開を期にさらに人気大爆発になるはずだったのだが、あの舞台挨拶が人気を失墜させていってしまうきっかけをつくってしまった。たぶん、きっといい子なんだよ。なにかずっと不満を抱えていたんだと思う。それがあの、YUIも同席していた舞台挨拶で爆発してしまった。つっぱてるだけなんだよきっと。その後の結婚と離婚も。惜しいことだ。もう許してやる時期じゃないか？マスコミは怖い。

そして、この映画と「LOVE&TRUTH」のPVは多くの部分でリンクしていることに気がついた。遅すぎる？まあ、そうだろう。竹内結子演じる先生が飛んでいく蝶を眺めるシーンとか、沢尻が階段でマンドリン弾くシーンとか、窓の外を眺めるところとか、日記を読む姿とか、‥　今更ながら多くのシンクロに気がついた。

そして、もっとも自分を驚かせたのが、竹内演じる小学校の先生が、子供たちに「翼をください」を合唱指揮しているシーンがあることだ。昨年の夏フェスでYUIが突然「翼をください」を歌ったのはまだ記憶に新しい。鮮烈な夏の思い出。震災後、東北の被災地の学校でこの曲を歌ったYUI。選んだ理由を「みんな知ってると思って」と言っていたけど、この映画もYUIに「翼をください」を選ばせた理由のひとつだと確信している。

というわけで、まだ「クローズド・ノート」を観ていない人は、いい映画だし、そろそろ観てみよう。TSUTAYAなら100円で見れるし。「LOVE&TRUTH」のPVもようやく好きになれてきた。