2010年4月22日木曜日

線文字B

「線文字Bを解読した男 マイケル・ヴェントリスの生涯アンドルー・ロビンソン著(片山陽子訳 創元者2005)を読んだ。 

線文字Bという言葉は高校生のとき世界史を学んだ時以来ひさしぶりに聞いた言葉だ。

古代ギリシャよりもさらに前の時代。紀元前1450年~1300年ごろエーゲ海で、クレタ島で使われた文字。たしかヴェントリスという英国人によって解読された…という受験知識だけで止まっていた。

まあ、古代の言語を解読する、それは気の遠くなる作業とブレイクスルーをもたらす天才が必要だ。
シャンポリオンもそうだがヴェントリスも少年時代から語学の天才。ヨーロッパ中の言語を学んでしまう。
しかも驚いたことにこの人は言語学者じゃなくて一介の建築家。趣味で線文字Bにとりくんでいたのだ。びっくり。

誰も成功しなかった偉業にどうして成功したのか?
線文字Bにはロゼッタストーンのような手がかりが存在しなかった。資料も少ない。 
クノッソスの粘土板にしか現れない単語はクレタ島の町の名前では?という当たりと、古典ギリシア語では?という推測がカギとなった。

そしてこの人は学者と違い、先を争って秘密に解読したわけじゃない。仕事しながら、オープンにしながら解読に成功した。控えめな人だったらしい。 

享年34歳。交通事故で他界。

ただ、線文字Bって収められた物品の目録とかばっかりで解読できたからといって特になにか面白い物語とか得られたわけではないが、ヨーロッパで読むことができる最古の文字となった。

しかし、まだまだ意味がわからない名詞も多い。綴り規則のルーズさについての箇所で「日本語ではLとRの区別ができない」が例として使われていて、日本人のLRは言語学の世界では有名なんだなって思った。 

というようなことを学習した1日

家へ戻ると部屋の片づけをした。いろいろなものを捨てる決心をした。お金を出して買ったものもいまでは何の価値もない。虚しさを感じた。

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