
ストラヴィンスキーが1918年にロシアの民話をもとにラミュズと共作した音楽劇「兵士の物語」は昔から人気が高く多くの録音が存在するが 今回初めて日本語版を聴くことができた。自分はこの音楽の三重奏版(クラリネット、ヴァイオリン、ピアノ)やコクトー&マルケヴィチ盤や英語版などいろいろ聴いてきて準備万端・満を持してこれを聴くこととなったのだが そんな順番でこのCDを聴いた者はそうはいないのではないか?1992年に東芝EMIより発売された 斉藤ネコプロデュース 巻上公一、デーモン小暮閣下、戸川純のキャストによる有名な1枚だ。 実はストーリーをよく知らなかったので「これでストーリーがわかるはず」とワクワクして聴き始めた。
キャストを見た瞬間から「これはROCKでPOPな1枚に違いない!」と予想したが それは見事にハズれた。非常に格調高く 作品に真面目に真剣に取り組んだ1枚だ。このCDを聴こうと思った理由が 最近ゲルニカを聴いたから(笑) 戸川純側から探していてこの1枚に出会ったのだが 戸川純は舞台女優だったということも知らず こんなに真面目に朗読のプロみたいな仕事ができることに驚いてしまった。 「王女」の役のときだけ 自分の知ってる戸川純だったよ。不明を恥じたい。

そして驚いたのが主役「兵士」の巻上公一。この人のことを知ったのはつい最近(笑) POLYSICSのハヤシ経由で「ヒカシューのリーダー」「Pikeの人」という知識しかなかった。「できぬかな」昨年12月26日の「帰ってきたNEU!!!!2」のゲストの時の写真でしか知らなかったので 聴き始めて早々「!? この人ってバリバリの舞台俳優だったんだ!」って初めて知って驚いた。発声から台詞回しからものすごく一流な感じ。この人がこのCDを格調高いものにしている一番の要因。不明を恥じたい。
若いころの巻上公一 なんだかかっこいい
そしてデーモン小暮閣下(笑) 「悪魔」の役 この役は自分の知ってる閣下そのものだったよ。
ただ やっぱり前から思っていたけどストーリーがそれほど納得いかない。どんな教訓があるのか?このCDでは教訓を繰り返して念を押してくれたので理解しやすかったが。あと時事ネタは後々小さなキズになってしまうということも思い知ることとなる。でもストーリーが今回でよくわかったので今後他の録音を聴くうえで理解を助けてくれるだろう。是非復刻してもらいたい1枚。
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