ノルマンディーの変わり者友人と再会した主人公(たぶん作者)との会話とやりとり。
どこか物悲しさと寂寥。さまざまな回想。ああ、純文学の中編だなという。
なんとも他人に説明のしようがない。とくにストーリーがない。頭が良く教養のある人はこんな会話をしてこんなことに頭を巡らせるんだろうなというおしゃれな作品。自分は読後にしばらく余韻があった。
そして2つの短編。
「砂売りが通る」
海岸で砂の城をつくることに異常にこだわった娘の回想フラッシュバック。これも静かで物悲しい。フランス語では眠くなることを「砂売りが通る」と云うらしい。それ、昔「ドラえもん」でも読んだやつだ!
「城址にて」
これって「熊の敷石」の原型?やっぱりノルマンディーの変わり者の流浪の写真家友人とのどこか物悲しいやりとり。純文学短編作品だとしかいいようがない。
でもなんだか3作とも映画の一場面を見たような余韻。

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