中世イングランドやフランスの歴史本を読んでるとちょくちょく顔を出してくるのがスコットランド。スコットランドの歴史は単独では高校世界史の記述はほとんどない。こういう本は助かる。
スコットランドといったらスチュアート朝なのだが、それ以前のアルピン家のケネス1世とか、ダンケルド家とか、ベイリャル家、ブルース家とか高校世界史ではまったく習っておらず、読んでいて現在地を見失った。
だがやっぱり内容は英国史とだいたいかぶる。スコットランドが世界史で存在感を増すのがメアリ・スチュアートとジェイムズ6世(イングランド王ジェイムズ1世)。ここからずっとほぼ宗教対立。
王と有力貴族、市民とで信仰が違う状態は強いストレス。清教徒革命、名誉革命の記述が多い。このへん、高校世界史とかなりイメージが違った。
1回読んだだけでは理解できない。今後何度もページをめくらないといけない。
ウィリアム3世って自分的に名君だと思っていた。ジャコバイトの乱ではハイランドの人々に見せしめのような残虐な仕打ち。(グレンコーの虐殺1692)
イングランド王家がスコットランドへと接近していくのがジョージ4世やヴィクトリアの時代から。アバディーンシャーのバイモラル城を購入したのもビクトリアとアルバート公の時代。
スコットランドの宗教の変遷についてのページが多い。ドルイドの古代、ケルト系キリスト教、ローマ・カトリック、そして長老派と呼ばれるプロテスタント。このへんは日常生活では得られない知識。
あとはスコットランド出身の偉人たち。デイヴィド・ヒューム、ロバート・バーンズ、ウォルター・スコットといった人々を紹介。アダム・スミスもジェームズ・ワットもスコットランド人。アメリカ合衆国にも多くの人材を供出。
ジェイムズ・クレイグがつくったエディンバラ新市街。今ではすぐにストビューで見れて便利。
インヴァネス-フォートウィリアムを結ぶカレドニアン運河って、ネス湖のことか!
アイルランドからキリスト教を中部北部ピクト人たちに伝道した聖コロンバ(521-597)にはネス湖の怪物を鎮めたという伝説が?!
グレートブリテン連合王国の時代を経て、だんだんと自治権を得ていくスコットランド。1934年にSNP(スコットランド国民党)が結成。1970年ごろまでやっと1議席だったのが2022年には47議席で第三の勢力。(20世紀後半は労働党と接近し保守と距離)
自分、トニー・ブレア首相がエディンバラ出身、ゴードン・ブラウン首相がグラスゴー出身だったって知らなかった。ブレア政権のときにスコットランド議会(1999-)が復活。
現在のニコラ・スタージョン(2014-)でスコットランド首相5代目。
2014年のスコットランド独立住民投票で票がイギリス残留派に流れた理由のひとつが北海油田!?
おそらく次の独立投票では独立派が過半数になるかもしれない。スコットランドよりも人口が少ないアイルランドのように、独立国としてEUやアメリカと輸出でやっていく手がある。
ゲール語復興運動の存在も知らなかった。
スコッチウィスキーは飲みたい。あと、ハギスという謎料理を食すならイングランドかスコットランドに行かないといけない。
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