2022年5月20日金曜日

玉城ティナ「鉄オタ道子、2万キロ」(2022)

テレ東深夜ドラマ25枠で1月期に放送されていた「鉄オタ道子、2万キロ」全12エピソードをリアルタイムで完走した。
テレ東が飯テロにさらに鉄オタ要素を加えたらさらに視聴者が食いつくんじゃね?という企画。監督脚本は古澤健だったのか。

自分は北海道や東北、北関東などあちこち行ってるのだが、そこにひっそりといい感じでたたずむ駅があると写真を撮りに立ち寄ったりしていた。なので親しみと共感を持って見た。
あと、自分がこのドラマにつき合った理由は玉城ティナ。ヒロイン大兼久道子(玉城ティナ)は東京のインテリア販売企業のキャリアOL女子28歳。鉄道オタで日本全国へ鉄道の旅。実は「Yui」というペンネームで雑誌「旅と鉄道」に寄稿しているライター。
基本どこへでも単身でかけていく。ずっと孤独な一人旅。心の声をナレーション。

こういうドラマ、近年すごく増えたのだが、基本なにも起こらないw これでドラマの視聴者はついてこれるのか?深夜に帰ってきた若者が何か食べながら見る番組なのでそれでいいのかもしれない。
だがそれでもやっぱり心配になるほどにストーリーや内容といったものがない。内容が薄すぎてなさすぎて、後になって人に話したくなるようなものが何もない。人と人とのドラマ性がない。
北海道から鹿児島まで、鉄オタの間ではわりと有名らしい日本全国の秘境駅に行き「ここどこだよ」とつぶやくのがこのドラマの開始ルール。
秘境駅なので周囲に何もないし人もいない。人がいるとすればそれは同業者鉄オタ。
近くをぶらぶらと歩いてみて、たまに人と出会えば会釈したり挨拶したり、当たり障りのない世間話。そんなんでドラマが持つのか?こんなドラマ、日本にしかないのでは?

地方ローカル線は時間帯によってはむしろ逆に混雑することもあるのだが、利用者自体が少ないのが秘境駅たるゆえん。電車(汽車)も利用者が少なくて採算がとれずに困ってる。てか東京の込み具合が異常。
このドラマの玉城以外のレギュラー出演者がさ迷える鉄オタ栗原類。失業中だがしっかり日本中鉄道撮影旅行中。なぜか鉄道や駅よりも周囲を目的も無く散策し写真を撮る。こいつは全12回のうち4回に登場。道子がYuiであることを知らないYuiの紀行文読者。
そして「旅と鉄道」編集長の六角精児。この人は道子と電話やり取りでしか登場しない。日本中の秘境駅のことなら何でも知ってる。
ディストピア秘境駅筒石駅でぶつぶつ独り言を言う太った男がやってきたときはヒロインと同じようにプチ恐怖w
鉄道と秘境駅だけでは弱いので、ヒロインに駅弁を食べさせて飯テロ要素も盛り込む。なりふりかまわないのがテレ東。

このヒロインがそのへんに腰を下ろして駅弁の包みを開く。心の声で食レポしながら。これもテレ東。たまに猿の鳴声にビビったりもする。
冷たいごはんを食べるのは東アジアで日本だけ?
どこか遠くの誰も知らない場所へ行って、駅弁を喰う。そしてその周辺をカメラで撮りながら散策。それはそれで旅のスタイル。地ビールをビンのまま飲むとかROCK。
このドラマ、自分の見た所、あまり話題になっていなかった。ツイッター見てもそれほどのリアクションはない。それどころか、玉城ティナは顔が個性的だからなのか、少年たちにあまり人気がない?もっとゴールデンのドラマとか話題作映画とかに出てほしい。

冒頭オープニング主題歌はmeiyo「チャイニーズブルー」。道子の東京キャリアウーマンの側面のみをスタイリッシュに切り取ったオープニングは良い。
自分、日本各地でこのドラマと似たようなことをしてるけど、埼玉県北部とか神奈川県の山の方でこれをやると、ときどきすごくこちらを観察してる人に出くわす。不躾に「何を撮ってる?」「何に使う?」「こっちにスマホ向けたよね?」めんどくさい。

埼玉、神奈川の人は自分たちを田舎だとは思っていない。よそ者がカメラで何か撮影しながらウロウロしてると不審者だと思うらしい。山間の集落は子どもすらいないからまだいいのだが、山のすぐそばまで住宅地になっているようなエリアだと、小さな子どものいる家族層もいて、子どもの安全上わりと敏感。

よそ者に積極的に不躾に声をかけて、不審者を追っ払ってやったわ~っていいことをしたような気になってる。たぶん他人は電磁波で攻撃してくると思ってる人に違いない。借金から逃げてるか、前科があるか、それともよほど世間様に見られたくない何かのある地域。
「鉄オタのメッカ」という表現の是非よりも、そっちの注意喚起をするべき。中途半端な田舎には行くなと。

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