NHK大河ドラマ「青天を衝け」はなんとなく全体の7割ぐらい見た。橋本愛が出てるので。
「青天を衝け」は大森美香脚本による幕末明治の財界人渋沢栄一を描いたもの。
本大河ドラマの主人公が渋沢栄一(吉沢亮)だと聞いたとき、観なくていいと思ったw 巨万の富を得た成功者のサクセスストーリーなど誰が見たい?と思った。竹中平蔵に顔が似てるのもよくない。ちなみに自分が最も集中して見た大河は「真田丸」。日本の歴史は敗者の歴史のほうが興味深い。
この主人公は武蔵国血洗島の農民。喋り口調がかなりべらんめえ。今も埼玉の田舎の人はみんなこんな口調。関西の上品な階層の人々は「品がない」と感じたことだろうと思う。
もともと大河ドラマはナレーションつき歴史紙芝居。歴史的重要場面を人気役者が演じるものを見るという娯楽。ちょっと豪華な歴史秘話ヒストリア再現映像。近年の大河は視聴者を飽きさせないためにやたらアッサリしててテンポがいい。90年代以前の大河を今見るととても叙情シーンが多くて長い。自分としては今の大河スタイルのほうが良い。
天璋院は上白石萌音。幕末の女性として重要キャストだが、あまり出番はなかった。静寛院宮(和宮内親王)は元乃木坂深川麻衣。これも思ってた以上に出演時間が短くて失望。日本の歴史において女性が重要な役割を担ったことはほとんどない。その他有名俳優キャストも短い歴史再現シーンに駆り出されただけ感がする。
主人公の妻千代だった橋本愛もあまり出演時間は長くない。パリから送られて来た夫の断髪タキシード正装写真を見て「あさましい…」というシーンは面白かった。それが明治維新。
幕末明治期の重要人物たちも多く登場するのだが、やはり扱いは同じ。名乗ってそれらしいシーンを演じてナレーションで死ぬ。
渋沢の主君で上司の徳川慶喜(草彅剛)は目立ってた。この俳優は昨年の「ミッドナイトスワン」から時流に乗っている。キャリア史上いちばん評価が上がってる。
慶喜の弟民部公子こと徳川昭武(板垣李光人)は今までまったく印象のなかった人だが、今回の大河でわりと輝いた人物。
パリ万博編では皇帝ナポレオン3世の前で将軍名代として国書を読み上げるという大役。今までまったく映像で見たことのなかったシーン。本来であればパリロケで撮影したかったシーン。残念ながらクロマキー合成感が少なからずやっぱりある。
栄一の従兄渋沢喜作は高良健吾。家族だし重要キャスト。函館戦争後も登場してる。
栄一パリ出張時に尾高家から渋沢家に養子として入った渋沢平九郎(岡田健史)は飯能戦争で敗れ自決。後に栄華を極めた渋沢家の人々もこのような最期を迎えた人もいたのかと。
飯能はよくハイキングに行った場所。あの峠も歩いた。だが、平九郎という人物について以前はまったく知識がなくスルーしてしまった。またあの峠のあたりに行きたい。
土方歳三は町田啓太。たぶん女子たちからは高得点。函館で戦死。
明治維新後はかなりハイテンポ歴史名場面再現映像紙芝居。教科書で習う人々総出演。歴史の転換点。社会の変革に戸惑う人々をユーモラスに描いて笑おうっていう。明治以降はそれほど集中して見てなかった。
橋本愛は「あまちゃん」から8年。すっかり大人の女性。もう気安く愛ちゃんとか呼べない。前作「麒麟がくる」はコロナ厳戒態勢撮影で大変だった。「青天を衝け」も撮影現場で誰か感染者が出れば撮影スケジュールが大幅に狂ってしまうという厳しい現場が長期間続いた。撮影スタッフの気苦労を労いたい。
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