2021年8月23日月曜日

北川景子「ファーストラヴ」(2021)

「ファーストラヴ」(2021 KADOKAWA)という映画があるので見る。島本理生の原作小説の映画化。監督は堤幸彦。脚本は浅野妙子

主演は臨床心理士北川景子。そして弁護士中村倫也。このふたりが父親を殺害した女子大生芳根京子の心と真実に迫っていくサスペンス…と想像して見ていく。
たぶん「三度目の殺人」みたいな、実直臨床心理士が虚言癖変わり者容疑者に周囲が翻弄される法廷モノ?

北川の料理上手な旦那(写真家)役が窪塚洋介なことに見ていてしばらく気づかなかった。この俳優を久しぶりに見た。
芳根の元恋人役で清原翔。ということは脳出血で倒れる以前の撮影らしい。
殺害された父板尾創路は画家らしいのだが娘芳根をかなり精神的に暴力的に圧迫していた様子。その妻木村佳乃も娘に無関心ヒステリー母。これは見ていて嫌な気分になりそうだ。

北川中村ペアが芳根の過去を調べて回る。芸術家父はかなり気持ち悪い人物。リストカット跡もそれと関係が?
北川自身も成人式の日に母(高岡早紀)から父が海外出張のたびに児童買春していた過去を知らされる。なんでそんなことを話す?「あなたも大人になったんだから男はみんなそんなものだと知っておいて」
学生時代の回想が続く。中村と北川は学生時代に恋人同士。中村も北川と初めて会ったその日に焼き肉店で北川の髪を切るとかなんなの。
だが、ショートカットの北川景子が髪切っただけで一気にあか抜ける。なんでそんなにかわいいんだよ。

デート先で最終バスを逃してふたりはホテル。行為に及ぼうとするのだが北川が痛がってできなかった。中村はセッ〇ス依存症学生。この1回限りでふたりは別れた?だが、中村の兄窪塚の写真展に出かけて窪塚と出会って結婚。

少女の成長過程において関わった男たちがいかに影響を与えるか?男の性がいかに気持ち悪いかがテーマか?これは見ていてつらい。年頃の女の子を持った親は見ていられない内容じゃないのか?
心を隠す少女は真面目な臨床心理士にも心を閉ざす。泣いて笑ってみせて自分を守る。

北川は自身の経験した父の気持ち悪い性癖とトラウマを芳根に話す。芳根は「父を刺してない」と証言を変える。中村弁護士はその告白を信用しない。北川と中村は激しくののしり合う。冷徹な弁護士中村に北川の説得は通じない。

だが、中村弁護士が超有能さを見せる。法廷シーンの中村、北川、芳根、さすがの名優ぶり。とくに芳根京子にとってこの役はキャリア史上もっとも重要。
男の欲望に弄ばれた少女の壊れた心を描いた重苦しい硬派な社会派映画。幼い女の子に興味を持つ大人の男たちを断罪。男性の就職面接官たちの視線が引き金を引いたことも重要。

堤カントクはやっと大人の鑑賞に耐える映画を撮った。
主題歌Uru「ファーストラヴ」。挿入歌は「無機質」。

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