2020年10月5日月曜日

関水渚「町田くんの世界」(2019)

「町田くんの世界」(2019 日テレ、ワーナー)というマンガ原作(別冊マーガレット)の実写映画があるので見る。監督は石井裕也。

勉強も運動もできない不器用なメガネ少年町田くん(細田佳央太)が優しい行動により周囲の人々を変えていく。愛される。という話らしい。その概要を聞くと何やら宗教っぽさも感じる。

コンフィデンスマンJPのコックリこと関水渚が出演している。主演のふたりはほぼ演技素人らしい。
関水はこの映画で毎日映画、ブルーリボン、山路ふみ子、キネマ旬報ベストテンなど主要映画賞新人女優賞を受賞。いきなり映画ヒロインとして成功した特異な例。女優の前に水着グラビアやってたことも驚き。

コンフィデンスマンでも関水は広瀬すずと間違えている人が多いらしい。一目見て「あ、輝いてる」とわかるようなレベルのフレッシュな新人。リアルに女子高生っぽい肉感。こういう人がまだ埋もれていたのか!という驚きを感じた。

人間が嫌いだというヒロイン猪原さん。この子に「バカなの?」とか言われるのってある意味幸せ。イライラ一人芝居は難しいのにとても上手。
町田くんの母が松嶋菜々子。自分は松嶋が女優として出演している映画をほとんど見たことがなかったのだが、気づかないうちにだいぶおばさんになっていた…。

前田敦子が主人公の同級生(女子高生役)なのも驚いた。何歳だよ。町田くんと一匹狼関水の恋の進展を観察する役どころ。精神的に余裕のある大人の女。

笑いの要素がやっぱりマンガだなと感じた。主人公は高校生なのにまるで中学生のよう。ハンバーグの件や滑稽な走り方で笑える人はサザエさんで笑える人だと思う。
ヒロインがいつもいる用水路がドラマ「映像研には手を出すな」と同じロケ地だ。

池松壮亮はこの世界に絶望した作家か?と思ってたら芸能記者か。
夜の街をふらふら歩いてる関水渚をナンパする男3人組に岩田剛典がいる。

猪原さんと間違えて町田くんに「好きだ」という手紙を出してしまった同級生が太賀。ウザイ。町田くんはこいつにも優しい。どいつもこいつも高校生らしくない。
同じ高校にはさらに高畑充希もいるのかよ。関水より年下の設定なのかよ。この子も町田くんに告白。計算高いぶりっ子。

さらに池松の妻役で戸田恵梨香も出演。「この世界はクソだな」という夫に「こんな仕事辞めたら」と言う。
池松の上司が佐藤浩市なのだが、見た瞬間「あ、これはいけない」という嫌な痩せ方をしてる。健康状態に不安を感じる。大丈夫なの? このふたりはチョイ出演。豪華な出演者だ。

誰に対しても親切な町田くんに猪原はイラつく。猪原さんがイライラの極致で脚をぷるぷる震わせるところが可笑しい。そういう姿をみて笑おうっていうラブコメ展開。

てっきりスウィーツ映画かと思ってたら、意外に大人の鑑賞にも耐える上質なコメディ。
そして人の気持ちを想像する大切さを説く映画。ガールミーツボーイ。恋を知らないボーイミーツガール青春映画の佳作。町田くん役の子もがんばった。

だが、序盤と終盤でかなり雰囲気が違う。今どき風船を持ったこどもがたまたまそこを歩てるかよと突っ込んだ。「メリーポピンズ」なの?「地下鉄のザジ」なの?これはファンタジーなのか?オチない夢オチなのか、一体どうゆう映画なんだよと戸惑った。
役者たちも撮影してる当事者たちも戸惑ったのではないか。

あと、高校生役は何歳になってもやっていいということを学んだ。
主題歌は平井堅「いてもたっても」
ちなみに、この映画のロケ地が茨城県香取市の横利根閘門だ。「映像研には手を出すな」ロケ地巡礼ついでに同じ場所を押さえて来た。

0 件のコメント:

コメントを投稿