2020年5月10日日曜日

長澤まさみ 舞台「神の子」(2019)

2019年末に長澤まさみは、赤堀雅秋脚本演出、大森南朋、田中哲司、でんでん、といったおじさん俳優たちによる舞台「神の子」にゲストヒロインとして招かれて出演した。
2019年12月23日下北沢本多劇場での公演が3月にWOWOWさんで放送された。やっと見た。

まさみは十代のころ映画で大森南朋と共演したことがある。その数年後にCMでも共演したことがある。大森はダメもとでまさみに舞台出演の是非について電話してみたら…OKだった。そんなきっかけで長澤まさみの出演が決定した舞台らしい。

田中、大森、長澤、でんでん、江口のりこ、石橋静河、その他、邦画を見るか劇場に足を運ぶような人しかしらないキャストが名を連ねている。

自分、今回もまさみ舞台へは行かなかった。たぶん今回の舞台は自分とは合っていない。
冴えない中年男たちの前に現れる「神の子」が長澤まさみなんだろうと推測。まさみはきっと汚れなき天使。
登場する人々はこのクソみたいな社会でつつましく生き、そして毒を吐く。一見普通の人のようでいて、多くの人は天然。

缶ビール飲みながら自転車で通りかかるおやじ。自分もこんなやつと出会ったことあるけど典型的なクレーマー。服装見た目、自己完結する身勝手論理、挙動行動パターンがまったく同じ。犯罪者予備軍どころか立派な犯罪者。ほぼ京アニ事件だし登戸カリタス事件。こいつはまったく笑えない。見たくないので早送りしたい。
まさみはボランティアで町の美化清掃をする。タバコぽい捨てを注意されただけで、ボランティアを偽善だと言い放つめんどくさいイキったサラリーマンが見ていて悲しい。「なんでお前にそんなこと言われなくちゃいけないんだよ?」「俺の方が税金払ってる。ちゃんと働いてる。」こういうのは警察呼べ。動画を撮って勤め先か取引先に送れ。こいつが一番殺したい。

作家演出家がよく見て来た人々なんだろう。できることなら見たくない人々ばかり。ひたすら不快。やっぱ見に行かなくて正解だったわ。ネットニュースでもクリックしない。

これは良くないなと思ったのが、青山テルマを時代遅れの過去の歌手としてディスってたところ。そんなに何度もアルバムが棄ててあることを強調しなくていい。ここを見て、脚本演出家が自分と合わないと感じた。
こんな美しい人に恋してしまう中年男。それだけで悲哀。他人事じゃない。必死な大森を笑えない。客席からたまに笑いが漏れてるけど、笑えない。

まさみが一緒にゴミ拾いしてる石橋静河からしれっと「愛してます」と告白されるシーンは心にさざ波が立った。まさみはこんなふうに女の子から告白されまくるぶんにはかまわない。男がちょっとでも近づくのは許せないw
石橋静河の演技を初めて見たのだが、とても輝いていたように思えた。

まさみの出てるシーンですら苦痛。なので、まさみの出てないシーンは見るのがもっと苦痛。リアルな日常クソ社会を舞台でも見る必要はない。
東京って人々の生活の質が低いし、見ていて嫌な気分になる人も多いし、この舞台のような掃き溜め感が異常。コロナでそれがさらに露見。もう嫌だ。
謎の「ウィンターキャンプ」は面白かった。でんでん「ビールビールいうけど第三のビールだから!」とか、この時代の日本人にしかわからないネタ。
なんか、宗教を感じたし、企業研修も感じた。なんだこの舞台。と思ってたら、でんでんさんが視聴者の思ってることをズバッと代弁してくれたw 「なにこれ?新興宗教?きみたち、ずっと気持ち悪くて」

新興宗教の家庭に生まれた女の子は親と一緒に布教活動に出かける…という話を聴いたことがある。この舞台はキリスト教系新興宗教家庭に生まれた二人が主人公だったのか。途中「おや?」と違和感を感じた箇所はそういうことだったのか。日常を描くという社会派演劇。

結局、まさみを見れるという事しかいいことがない。まさみの目がとてもキレイだった。まさみの流す涙の量がすごい。どうして何日も続く舞台でそんなに泣けるんだ?役者ってすごい。まさみはすごい。まさみに激しく嫉妬。

番組の最後に赤堀、大森、田中、まさみの4人で対談がある。みんな大人だ。18歳ぐらい年上のおじさん俳優たちとまさみが対等の存在。まさみは名前だけで客が呼べる大女優。

まさみは舞台では日常を演じるのが初めてだったと語る。稽古風景もちょっとあった。「酔ってるシーンがよかった」「いつも酔ってる感じ」と言われたまさみ。「それ、よく言われる。」
あと、「定時に帰れるのがいい」と言うまさみ。冬場は映画やドラマの現場とかより舞台の方がいいんだろうな。
結果、放送プログラムとして見ごたえあった。作品としてはよくわからなかったけど。

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