2020年4月18日土曜日

芳根京子「表参道高校合唱部!」(2015)全10話を見た

2015年夏にTBSで放送されていた「表参道高校合唱部!」を2020年になってようやく見通した。途中で長い中断もあったのだがやっと見通した。これが芳根京子の連ドラ初主演作。

TBSのオリジナルドラマなのだが、やはり典型的なTBSドラマで、自分としては見通すことがキツかった。
テレビドラマがマンガ原作や刑事もの医療ものばかりの中、オリジナルで勝負した心意気や良しなのだが、やはりクオリティはそれほど高くなかった。
高校生たちを主役にしても全世代を対象としたドラマで、脚本も演出も雑で粗がめだったように思えた。
小豆島からいきなり母の実家がある東京へ、父と母の別居というヘビーな状況を抱えて引っ越し。よりによって表参道という立地の高校へ。ここが父と母が出会った場所でもある。ここで父と母を結び付けた奇跡の「愛の歌」を探すことがヒロインの使命。

この高校がスクールカーストがあったりしてギスギスしてる。爽やかでガッツのあるヒロインが教室を変えていく。これが初回から見ていてかなりNHK朝ドラ感がする。ほぼ無名の10代の役者たちが多かったせいもある。

斜めぱっつん前髪ヒロインの髪型が斬新。このドラマで確かな演技を見せた芳根京子は翌年のNHK朝ドラ「べっぴんさん」のヒロインも勝ち取る。

異分子であるヒロインは浮き上がりはじき出される。壮絶なイジメや嫌がらせに遭う。第1話クライマックスが体育館でのアカペラ5人組合唱披露シーン。ジュディマリのオーバードライブ。ここ、合唱のすばらしさを見るものに教えてくれるかなり感動的なシーンで良いドラマになる可能性を感じた。
各回のクライマックスシーン、みんなで歌を唄えばなんとかなる。だが、それはいつも突然すぎて違和感でツッコミどころ。ドラマとしてそれほど効果的でない。

ヒロインがここぞという場面で自分を奮い立たせる10秒ジャンプという設定は良い。マサイ族みたいだが、合唱直前にそれをやると息が乱れるw 
スクールカースト序列1位がまたしてもオスカー吉本実憂
同じく2015年公開の「罪の余白」とほぼ同じような女帝キャラ。この子も芸能活動が上手くいってないイライラとストレスを抱え、取り巻き連中といざこざを起こし、爽やか芳根のグループへ入るという、ドラマによくある展開。
あんだけ酷いことしておいて合唱部に入ってから堂々とそのままのキャラでいて笑った。もっと控えめにしていろ。

このドラマが見ていて感情移入できないキャラだらけ。このドラマの第5話あたりまでひたすら各登場人物がそれぞれ抱える重たい問題の紹介。自分は途中で見るのを挫折しそうになった。
吉本の友人ふたりも酷い。汚水を2階から芳根にぶちまけるとか、友人から贈られた想い出DVDを破壊するとか、ほぼ犯罪者。
しかもツインテールは学園祭準備のために集めた金を紛失してるのにお咎めなし。なんで?

吉本の母原沙知絵も酷い。工場が潰れてホームレスとはいえ実の父親を棄てるように娘に強要とか母親のできることではない。
ヒロインの祖父平泉成も娘を無理矢理奪われたとはいえ、小豆島でのうどん店経営に行き詰まった元不良父川平慈英にあびせる言葉が酷い。この父が軽トラ1台で東京をさ迷う。辛くてみてらんない。
スポーツ推薦で野球部に入ったものの結果のでない生徒への他生徒の扱い接し方も酷い。
カリスマ合唱指導者城田優が教師を続けられなくなるかもしれない危機。その事情が酷い。コンクールで技量が劣る生徒に口パク指令を出したらその生徒が自殺未遂で廃人同然?両親から訴訟?
そんなの、途中で選手交代させられ傷ついたから訴える。代打を送られて傷ついたから訴える。ってのと同じでは?土下座して謝罪する必要なんてない。
ようするに登場人物たちほとんどがツッコみたくなる設定。

だが一番謎なのは教頭デビット伊東。こいつがほぼ「ドラゴン桜」と同じキャラ。しかも学校が廃校になる危機を招いてるのも同じ。
たいていの高校には合唱部はある。合唱は高校部活動としてメジャーなのに、なぜか合唱部を廃部に追い込もうとする。むしろ合唱部をしっかりした部に育てなくてはいけない立場なのに教育者失格で納得いかない。

ヒロインの母堀内敬子が父には冷たく、同級生結婚詐欺師石丸幹二にメロメロになっているのも子どもたちに見せてよい姿ではない。

第6話以降はメンバー内恋愛要素が出てきてようやく楽しくなりそうな感じはあった。
だが、志尊淳が心臓病でぶっ倒れて手術して回復とか、高杉真宙のLGBTは展開が速すぎ。
高杉と森川葵のお台場デートが完全に「賭ケグルイ」の鈴井と早乙女。
夏合宿シーンロケ地が小山町の旧和田邸。昨年秋に行ってきたので楽しく見れた。

第8話になっていきなりカリスマシンガー役で中島美嘉が出てきて驚いた。こいつがなかなか嫌な役。中島は10代の昔は主演ドラマもあったぐらい輝いていたんだが。

なお、このドラマの第5話に3秒ほど武田玲奈が出演している。校舎中庭にばらまかれた吉本の過去を告発するビラを見て「マジで?!」というワンシーンのみにチョイ役登場している。この時期の武田はグラビアアイドルとしてようやく名前を知られ始めた時期。

吉本の友人で心根の腐った嫌な女役小島梨里杏はシリーズ全体を通して目立ってる。それに美人だ。
このドラマの翌年に小島と武田は「オオカミ少女と黒王子」でやはりクラスの嫌な序列上位女子を演じてる。
あと、キャストにしっかり名前が記載されているヒロインの小豆島の親友葵わかなの登場シーンも少ない。ドラマってなりゆきで作っていくのでこういうこともたまに起こる。

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